想いを形に。
占いカウンセラー其田寿枝です。

 

以前、『いのちのまつり』という絵本を読んだことがあります。

自分に命をくれたお父さんとお母さん。

その二人にも、それぞれお父さんとお母さんがいる。

二人、四人、八人、十六人……。

さかのぼるほど、ご先祖さまの数はどんどん増えていきます。

考えてみると、すごいことですよね。

一世代を約30年として千年前までさかのぼると、およそ33世代。

家系図の上では、父と母、そのまた父と母と、命の枝が果てしなく広がっていきます。

もちろん、実際には同じご先祖さまが家系図の複数の場所に現れるため、単純に倍々で人数が増えるわけではありません。

それでも、想像もできないほど多くの命がつながって、今の私がここにいます。

 

千年前のご先祖さまが、どんな人だったのかは分かりません。

どこで暮らしていたのか。
何を食べていたのか。
何を楽しみにしていたのか。

名前も、顔も、声も知りません。

それでも、その中の誰か一人でも命をつないでいなければ、今の私はここにいなかったのです。

 

長い歴史の中には、病気や災害、飢えや争いもあったでしょう。

それぞれに、楽しい日も、つらい日もあったはずです。

その中を生き抜き、誰かを愛し、子どもを守り、命を次へ渡してくれた。

その長い長い「命のリレー」の先に、私たちはいます。

そして、私たちが受け継いでいるものは、命だけではありません。

顔立ち。
声。
体質。
得意なこと。
物事の感じ方。

ご先祖さまの持っていた、さまざまな特徴が組み合わされながら、今の自分へとつながっています。

 

遺伝の仕組みでは、親から子へDNAの一部が受け継がれ、そのたびに組み替えが起こります。

そのため、遠いご先祖さま全員のDNAが、今の自分に直接残っているとは限らないそうです。

けれど、遺伝子として残っていなくても、受け継がれているものがあります。

家族の中で交わされてきた言葉。
食卓に並んだ料理。
大切にしてきた習慣。
困ったときに助け合う心。
誰かを想う優しさ。

それらもまた、人から人へと手渡されてきた、大切な命の一部なのだと思います。

 

私が作る料理の中には、祖母や父から受け取った想いが残っています。

私が誰かを心配する気持ちの中にも、昔の誰かから受け継いだ優しさがあるのかもしれません。

そう考えると、ご先祖さまは遠い存在ではなく、今の私の中に息づいているように感じます。

 

そして私は、ご先祖さまにはお願いごとをしてもいいと思っています。

「どうか、力を貸してください」
「進む道を見守っていてください」
「私たち家族が、幸せでありますように」

だって、自分の子どもや孫には、幸せになってほしいと思うでしょう?

その気持ちは、きっとご先祖さまも同じではないでしょうか。

千年前のご先祖さまだって、

「よしよし、任せなさい」

と言ってくれているかもしれません(笑)。

 

もちろん、これは科学で証明できることではありません。

でも、自分へとつながる多くの命を想い、

「私は、一人で生きているのではない」

と感じることは、心に大きな力を与えてくれます。

 

つらいとき。
迷ったとき。
自分に自信をなくしたとき。

自分の後ろには、命をつないでくれた数えきれない人たちがいる。

一人ひとりが懸命に生き抜いた、その力を受け取って、今の自分がここにいる。

そう思うと、

「私にも、きっと大丈夫な力がある」

と、少しだけ胸を張れるような気がします。

 

🌱 今日のおくりもの

今日、自分へとつながるご先祖さまたちを、少しだけ想像してみませんか。

名前も、顔も分からなくて大丈夫です。

「命をつないでくれて、ありがとう」
「この命を、私まで届けてくれて、ありがとう」

そう心の中で伝えてみる。

そして、お願いごとがある人は、遠慮せずに伝えてみてもいいのではないでしょうか。

あなたの幸せを願ってくれる人が、時を超えて、たくさんいるのかもしれません。

千年前からつながれてきた命は、今日、あなたの中で生きています。