某劇団元主宰に、先日翻訳と同時にお願いした事がもうひとつある。
イラストレーターのギャラを適正に修正するから
よかったら次回も使ってやって欲しいという件。

これは、現主宰が払ったギャラがあまりにも相場を無視しているため
元主宰が怒っている事にたいし
イラストレーター自身は、もっと安くても仕事がしたいという事だったので
交渉のテーブルを作ってやりたくて打診した。
返事はまだない。

現主宰の「少しでも多くギャラを支払いたい」という気持ちはわからんでもないが
その結果、イラストレーターは今後の仕事を失いかねないわけであり
これは相場観を完全に無視していたといわざるを得ない。
その結果、よいと思ってした行動が完全に裏目に出ている。



アマゾンにおいて、「俺様価格」と呼ばれる相場を無視した値付けが流行っている。
流通量が少ない事に目をつけて、価格を吊り上げる商法があるのだ。
中身の価値を全く無視した、俺様価格は、顧客からのクレームの元になる。
そこでうちでは俺様価格を全く無視して千円だの2千円だのの値段で
ランキングが150万程度のものは、アマゾン値を無視して1円で出品することにしている。
たぶん同業者からは
「いつか売れるんだから値下げするな!ランクがついてるって事は売れた形跡があるってことだ」
と主張するのだろうが、それは大きな間違いだ。
売れたのは「うちの1円本」であり、ランキングが限りなく悪いのに
2千円だの3千円だのという値段で古本が売れるなど、ただの幻想に過ぎない。


値段の設定というのは実に難しいが
「他に無いんでしょ?こんな高い値段だけどうち使いなよ」
という態度では絶対に誰も買ってはくれない。
いまの人は他の商品との違いを見て購入しているのであるから
差別化が出来ない人は淘汰されると思わないといかんと思う。

そういった意味で、危機感が全体的に足りない。