第75回 ラファエロの「署名の間」、レオナルドを想起させるもの | レオナルド・ダ・ヴィンチの小部屋~最後の晩餐にご招待

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2021年5月末から再度見直して連載更新中です。

ヴァチカンの「ラファエロの間」とは、コンスタンティヌウスの間・ヘリオドロスの間・署名の間・ボルゴの火災の間の、連なる4室の総称です。

 

 

4室の中で、最初に描いたのが「署名の間」下矢印で、

 

その後に「ヘリオドロスの間」下矢印

 

「ボルゴの火災の間」は主にラファエロの弟子が描き、下矢印

 

「コンスタンティヌスの間」はラファエロの死後に製作されたようです。下矢印

 

なんとラファエロは1520年4月6日、37歳の若さで亡くなってしまうのです赤薔薇

 

 

さて、この4室の中で自分が重要視しているのは、やはり最初に手掛けた「署名の間」です。他の3室の壁画からは、レオナルドを想起させるようなものはみえません。

 

 

 

その「署名の間」の四方の壁画の描いた順番は、最初に「聖体の論議」、2番目は「アテナイの学堂」、3番目は「パルナッソス」で最後に「枢要徳」となります。

天井もラファエロと弟子らで描かれています。

 

これまで第71回~74回にかけて解釈してきた「アテナイの学堂」では、中央のプラトンにレオナルド・ダ・ヴィンチを兼任させていました。

そして、ラファエロ自身の肖像と反対側の並びに、鑑賞者に向けて視線を送る3人をいれました。

これは、レオナルドの作品の仕掛けとなっている兼任」と「異時同図には見えない異時同図」を、ラファエロも仕掛けたものでした。

上矢印詳しくは第71回~74回を参照ください。

 

で、この「アテナイの学堂」は2番目のものです。

 

 

では、1番目に描いた「聖体の論議」は、何かレオナルドに関連しているのか?

 

3番目の「パルナッソス」は?

 

4番目の「枢要徳」は?

 

という順に、これから進めたいと思います。

 

 

 

第76回は「聖体の論議」です。