聖書物語1.洗礼者ヨハネとイエス・キリストの誕生からキリストの洗礼まで | レオナルド・ダ・ヴィンチの小部屋~最後の晩餐にご招待

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レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画の謎解き・解釈ブログです。
2021年5月末から再度見直して連載更新中です。

レオナルドダヴィンチらの作品は、ほとんど宗教画です。

新約聖書のイエスの物語を知らない方にとっては、絵に描かれている人物名をあげても、よくわからないかもと、今更ながらに気づきました。

なので、レオナルドダヴィンチの連載と平行して、新約聖書のイエスの生涯をまとめたいと思います。

 

新約聖書のはじめの4つの福音書、「マタイによる福音書」「マルコによる福音書」「ルカによる福音書」「ヨハネによる福音書」に、イエスの生涯が記されています。

 

しかし4福音書は、記述内容が違いがありますので、4つのあちこちから取り入れながらの、あくまでも、ざっとした流れです。

レオナルドの作品解釈に関連しない出来事や人物は省略することもあります。

 

 

 

 

  受胎告知と洗礼者ヨハネの誕生

 

祭司ザカリヤには妻エリサベツがいましたが、エリサベツは不妊で子どもができず、二人とも年老いました。

祭司の務めで聖所で香をたくザカリヤに天使が現れます。

「恐れるな、ザカリヤよ。あなたの妻エリサベツは男の子を産むだろう。その子をヨハネと名付けなさい。・・・彼はエリヤの霊と力をもって、御前に先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に義人の思いを持たせ、整えられた民を主に備えるでだろう。」

ザカリヤは信じられませんでしたが、その後、妻エリサベツは身ごもります。

 

エリサベツのお腹が六ヶ月目の頃、天使ガブリエルは、ナザレの地のマリヤの前に現れます。

マリヤは、ダビデ家の出であるヨセフの婚約者(結婚前)でした。

 

 

「恐れるな、マリヤよ、あなたは神から恵みをいただいているのです。あなたは身ごもって男の子を産むでしょう。その子をイエスと名付けなさい。彼は大いなるものとなり、いと高き者の子と、となえられるでしょう。」

 

「どうしてそんな事が?私にはまだ夫がありませんのに」

 

「聖霊があなたに臨み、いと高き者の力があなたをおおうでしょう。それゆえに、生まれ出る子は聖なるものであり、神の子ととなえられるでしょう。あなたの親族エリサベツも老年ながら子を宿しています。」

 

マリヤは急いでザカリヤの家に行き、エリサベツに挨拶をします。

 

マリヤの挨拶を聞いたとき、エリサベツの胎内の子がおどり、エリサベツは聖霊に満たされマリヤに言いました。

「あなたは女の中で祝福された方、あなたの胎の実も祝福されています。」

マリヤは、エリサベツのところに三ヶ月ほど滞在してから家に帰りました。

 

その後エリサベツは男の子を産み、天使の言うとおり、名をヨハネと名付けました。

近所の人々や親族は共々に喜びました。

 

 

 

  イエスの誕生

 

全世界の人口調査をせよとの勅令により、人々はみな登録のために自分の町に帰ります。ヨセフもダビデの家系でしたのでナザレの町からユダヤのベツレヘムというダビデの町へ、身重のマリアと共に向かいます。ところがベツレヘム滞在中に、マリアは月が満ち出産します。

幼子は布にくるみ飼い葉桶に寝かせたのは、客間に彼らのいる余地がなかったからです。

 

 

東方からきた博士が星に導かれ、幼子のいる家にやってきて、ひれ伏しで拝み、黄金・乳香・没薬などの贈り物をささげました。

 

 

 

 

 

  イエス・12歳

 

イエスの両親は過越の祭には毎年エルサレムへ上っていたので、イエスが12歳になった年も、慣例に従って祭りのために上京します。ところが、祭りが終わって帰る時、イエスはエルサレムに居残っておられたが、両親は道連れの中にいると思って一日の路程を帰ってしまってから居ないことに気づき、探し回りながらエルサレムに引き返します。

するとイエスは宮の中で教師たちの真ん中に座って、彼らの話を聞いたり質問し、それを聞く人々はイエスの賢さやその答えに驚嘆していました。

 

イエスはますます知恵がまし、神と人から愛された。

 

 

 

  荒野で教えを宣べる洗礼者ヨハネが、イエスに洗礼を授ける

 

バプテスマのヨハネがユダヤの荒野でらくだの衣を着、野蜜をたべ、教えを宣べていた。

「わたしは、預言者イザヤが言ったように、『主の道をまっすぐにせよと荒野で呼ばわる者の声』である」

「わたしは水でバプテスマを授けるが、わたしの後から来る人はわたしよりも力のある方で、わたしはそのくつをぬがせてあげる値うちもない。」

「わたしはキリストではなく、その方よりも先につかわされた者である。」

 

ヨハネはイエスが自分のほうにこられるのを見て言った、

「見よ、神の小羊。『わたしのあとに来る方は、わたしよりもすぐれたかたである。わたしよりも先におられたからである』と言ったのは、この人のことである。」

 

イエスがヨハネのいるヨルダン川に現れ、ヨハネからバプテスマを受けようとされた。

ヨハネは、「わたしこそがあなたからバプテスマを受けるはずですのに、あなたがわたしのところにおいでになるのですか」

 

イエスは「今は受けさせてもらいたい。」

そこでヨハネはイエスにバプテスマを授けると、天が開け、神の御霊がハトのように下ってくるのがみえ、天から声があった。

「あなたはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である。」

 

 

 

 

今回は、ここまで。

以下の2点は、今後のレオナルドの作品を解釈する上で関わってきます。

 

1.イエスは、「幼子」、「12歳の少年」、「大人になってからの公生涯」の三つの世代の出来事が書かれていること。

 

2.イエスと洗礼者ヨハネは、母親が親戚であること。