さて金曜ロードショーでは春・夏・秋と『ハリー・ポッター』をシリーズ順にオンエアする企画が継続中でありまして、夏季に入り、先週より3年生編の「アズガバンの囚人」がオンエアされてまして、来週の5年生編:「不死鳥の騎士団」までオンエアされるのですが、本日で4年生編:「炎のゴブレット」がオンエア。この機会に全作品レビューしようと思っていたので3年生編の「アズガバンの囚人」のレビューを書こうと思ってます。

 実は「アズガバンの囚人」は『ハリー・ポッター』シリーズの中でも特に気に入ってたりする。只でさえページ数が多く、学年が挙がる毎にページ数が増加し、「炎のゴブレット」以降は上下巻での刊行となった作品だけに個人的に詰め込みすぎているように感じた上下巻より「炎のゴブレット」ぐらいまでの方が巧く纏まってるように感じた(単に自分が集中力が無いだけと言ってしまえば、それまでなのだが)。

 バーノンおじさんの家庭では、叔母さんの登場でハリーへの嫌がらせがエスカレートされるし、「夜の騎士バス」のシーンも楽しい。・・・・・ネコバスみたいって言ってしまえば、それまでだが、結局ファンタジーが好きな人にとってはハズレの無いシーンなのだよ。

 それにしてもルーピン先生が理想の先生過ぎる。映画でもルーピン先生の理想の先生ぶりやネビルたちからの慕われぶりも解りやすかったけど、原作では当然ながら活字で説明されてる訳だから、なまじ自分がネビルと同じタイプの少年だっただけに活字で追うと余計にネビルの心の描写に感情移入してしまう。だけど藤子ファンで或る僕はF先生が残した「僕、子どもの頃のび太でした」って言葉にいつも励まされてたりするんだけど、ネビルの後の成長ぶりを拝見すると、この作品自体がイギリスの作品だし、全寮制ってこともあってパブリックスクールと重ねてしまい、基本的に英雄賛歌の作品で或ることに苦手意識も感じてたりするんだけどね。

 無実の罪でアズガバンで服役生活を強いられたシリウス・ブラックはハリーの名付け親でルーピン先生同様にハリーの父親とグリフィンドールの同期生で仲の良いグループだった訳だけど、この作品最大の特徴はと言いますと


>グリフィンドール出身者に悪役登場


ってことだね。・・・・・正体スキャバーズだろ!ってことはさておき、それまでスリザリン出身者ばかり悪役として描かれてたので、臆病の性格から親友のシリウスを裏切ったピーターのクズっぷりはグリフィンドール出身者ぽく感じないからこそ「グリフィンドール出身のクズ」として貴重な存在だと思ってる(我ながら、とことん屈折してるね)。

 さて、森の番人だったハグリットがホグワーツ中退ながら正式に教師になったのもこのシリーズ。ハリーたちにとっては良き兄貴分だけど、教師としてはポンコツなのも私がハグリットが好きな理由の一つなのは毎回書いてたりするぐらいだ。それにしてもバックピークを舐めて高慢な態度で接してたら傷つけられて処分を訴えるマルフォイがクズすぎる。

 もしもボックスで魔法世界に行った大長編5作目で07年にリメイクした「のび太の魔界大冒険」自体が『ハリー・ポッター』と類似する部分は或るけど、このアズガバンの囚人はタイムパラドックスを扱ってることも自分が藤子ファンだけに着眼してしまう部分だね(実際に『ハリー・ポッター』と『ドラえもん』両方が大好きなブロ友の女の子もブログ記事で着眼していた)。