前売り券を購入済みだったので日曜日に弟と『砂漠でサーモンフィッシング』を鑑賞しに行った。今年に入って劇場で鑑賞した作品は『怪物くん』『海賊戦隊ゴーカイジャー』VS『宇宙刑事ギャバン』『テンペスト』『ダーク・フェアリー』『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』『ALWAYS三丁目の夕日』64、『しあわせのパン』『ヒューゴと不思議な発明』『TIME』『ドラえもん』ーのび太と奇跡の島ー、『戦火の馬』『宇宙戦艦ヤマト』2199ー第1章「新たなる旅立ち」ー、『HOME愛しの座敷わらし』『ジョン・カーター』『バトルシップ』『仮面ライダー』VSスーパー戦隊ースーパーヒーロー作戦ー、『タイタンの逆襲』『アーティスト』『幸せの教室』『スペック』『虹色ほたる』ー永遠の夏休みー、『ミッシングID』『宇宙兄弟』『シグナル』ー月曜日のルカー『宇宙戦艦ヤマト』2199ー第2章「太陽圏の死闘」ー、『LOVEまさお君が行く』『スターシップ・テュルパース』『特命戦隊ゴーバスターズ』ー東京エネタワーを守れー×『仮面ライダーフォーゼ』ーみんなで宇宙キターー、『プロメテウス』『おおかみ子どもの雨と雪』『アベンジャーズ』『ロック・オブ・エイジス』『タイガー&バニー』『るろうに剣心』『天地明察』『宇宙刑事ギャバン』『宇宙戦艦ヤマト』2199ー第三章「果てしなき航海」ー、『ハンガー・ゲーム』『サイボーグ009』『ツナグ』『エクスペンダブルズ』2、『リンカーン』ー秘密の書ー、『ねらわれた学園』『ロード・オブ・ザ・リング』ー第1章「旅の仲間」ー、『人生の特等席』『ロード・オブ・ザ・リング』ー第2章「二つの塔」ー、『ロード・オブ・ザ・リング』ー第3章「王の帰還」-、『悪の教典』に続いて49作目だ。

 パンフレットによると原作は『イエメンで鮭釣りを』という小説で、原作者のボール・トーディ氏は一時中東で油田の仕事をしていたことや、水産学者と関わったことが或る自分の経験から小説を書いたそうで或る。原作の存在自体を知らなかったんだけど、予告を拝見して「発想そのものが面白い」と感じて鑑賞を決意。コメディとして単純に楽しめそうだし、プロジェクトそのものが支離滅裂だからこそ、却って「実現可能な説得力」も堪能したかったのも真相だ。それにしても不思議だ。10年前は『プロジェクトX』が「大人によって勤勉さを我々若者に押し付けられたような嫌悪感」から拒絶していた自分が、プロジェクトものに興味を抱いたこと自体がね。

 実際にコメディを重視しつつもビジネスものとして着眼してしまう内容だったと思う。なんだかんだで登場人物の中では自ら「変わり者」を自称する水産学者:ジョーンズ博士が一番普通の人だったと思うね。或る意味でサラリーマン的立場だから荒唐無稽なプロジェクトに巻き込まれる「さえない海洋学者」としてのキャラが愛妻がキャリアウーマンだからこそ余計に確立されている。

 この作品での最高に笑わせてくれるシーンは首相広報担当官:マクスウェルと英国首相のネットでのやり取りだね(笑)。ジョーンズ博士を演じたユアン・マグレガー氏のインタビュー意見も抜粋したい。

>ドラマとコメディではコメディの方が難しいってよく言われるけど僕は基本的には同じだと思ってる。
 笑わせようとするから難しくなるだけで、常にリアルに演じることを心掛けば、
 その状況やセリフのおかしさだけで観客は笑ってくれる。

 例えば、お笑い芸人って自己アピールの場でも或る訳だから「自己アピール=笑わすことを押し付ける」って形になってしまう。とはいえ、観客への信頼もあって体当たりが出来ることも事実で、そういう意味では考えさせれるインタビューだった。

 とはいえ恋愛ものとしては、この作品は正直、失敗だと感じたね。ジョーンズ博士はキャリアウーマンの妻:メアリーに尻に敷かれる夫であり、ヒロイン役のハリエットは戦地に赴いた軍人の恋人がいる。最終的にはその二人が結ばれる訳なのだが、過剰に詰め込み過ぎだと思ったんだよね。それだったら「研究一筋で女性と縁が無かった」海洋学者と「有能で器量も良いコンサルタルトながら仕事一筋で生きて来た」女性の恋愛成就物語という設定でも良かったのでは?と思う。実際にジョーンズ博士は決してモテない人間の典型ではなく、恋人のロバートが戦場で行方不明になり、情緒不安定になったハリエットを献身出来るなど紳士的な人柄だし、決して異性に振り向かれない人物では無いだけに、ロバートが生きて発見されるだけに余計に「ロバートが悲劇だ」と感じてしまうね。