人間やじろべえの『さくらディスコード』を語らせろ 第2回

 藤子作品を中心にマンガ大好きだが、意外と最近の作品には疎いDJ:人間やじろべえです。『よろしくメカドック』。さて先々月までは現在連載中の作品で最もハマっている『アイリス・ゼロ』を紹介していたけど、先月から年内一杯は最近完結した『さくらディスコード』を月刊連載という形で単行本紹介させて頂きます。何しろ『さくらディスコード』は間もなく刊行される最終巻が5巻だから年内一杯まで紹介できることが理由なんだ。そんな訳で最後まで『よろしくメカドック』

まずは『さくらディスコード』がどんな作品なのか簡潔に紹介するよ。

・『さくらディスコード』(週刊少年チャンピオン2011年40号~2012年34号)

著者:増田英二

 概要
名前に「さくら」を持つ6人の高校生が織りなす友情や恋愛を描いた青春漫画。キャッチフレーズは「泣いて、笑って、高二の青春!」。作品名の「DISCORD」は「不協和音」を意味する。6人がぶつかり合って不協和音を奏でながらもやっていき、やがては綺麗な和音を奏でる、という意味が込められている。

あらすじ
主人公・作楽康介は高校2年時に転校した先の学校で、名前に「さくら」を持つ5人のクラスメイトと出会う。中学時代に野球部で1勝も出来なかった経験から努力することを諦めかけていた康介は、幼馴染の桜ノ宮さくらに触発され、再び前向きな気持ちを取り戻してゆく。転校から2週間後に行われる球技大会に向けて、康介が桜ノ宮ら3人の幼馴染と協力し、6人の「さくら」を1つに結束させるところから物語は始まる。6人の「さくら」は、互いの主義主張をぶつけ合いながら、共に青春を歩んでゆく(ウィキペキアより引用)

 相変わらず説明下手なのでウィキペキア頼りに申し訳ない。とりあえず6人の「さくら」だけでも覚えてくれい!

・作楽康介
(主人公・男)
・桜ノ宮さくら
(こーちゃんの幼馴染み・女・通称:ノ宮・ドーナッツが大好き)
・桜島祐太
(康介の幼馴染み・男・通称:島・色恋沙汰が大好き・陸上部員だが今回紹介する2巻で・・・・・)
・桜ヶ丘奏
(康介の幼馴染み・男・通称:丘・ガリ勉・眼鏡キャラ・極度の運動音痴)
・住吉さくら
(ノ宮たちとは中学時代からの同級生・女・ノ宮からは「ヨッシー」と呼ばれてる・母子家庭で弟がいる)
・芽吹さくら
(万能少女・ノ宮からは「ブッキー」と呼ばれてる・3巻で家庭事情や丘との関係が判明)

 男:3人、女:3人の高校二年生って設定は『アイリス・ゼロ』と同じだね。さて、ここで漸く2巻の中身に入らせて頂く。

2巻収録(2011年47号~2012年4+5号)
・第8話「結成」
・第9話「余計なこと」
・第10話「嘘」
・第11話「大嫌い」
・第12話「初恋」
・第13話「勝つために」
・第14話「答え」
・第15話「恋騒ぎ」
・第16話「真逆」
スペシャルストーリー・第15・5話「続 恋騒ぎ」


>格好悪い奴が好きです
 格好悪くても
 情けなくても
 それでも頑張ってる奴が好きです
 だから
 このマンガもそういうマンガです(増田英二先生の2巻巻頭コメントより引用)


 球技大会の前日にノ宮がグラウンドで「THEさくら」というチーム名を決めるも、他人と微妙にズレてる丘は「良いかも」と内心思いつつも、他の「さくら」によって却下される。芽吹は「チームずぶ濡れ」を提案。だが『さくらディスコード』というグループ名を決めたのは他ならぬ丘だった。


>6人の主義主張が一致しなくてもいいじゃないか
 ぶつかり合って、不協和音を奏でながら、やっていこう
 いつか綺麗な和音を奏でながら、やっていこう

 ノ宮は「チーム名ぽくない」うえに「THEさくら」が最高のセンスだと決め込んでいたので却下したが、タイトルの如くチーム名が決定したのだが、衝撃的な事実が。

>球技大会当日が降水確率100%で中止に

・・・・・作品の重要素だろうが!

 さて、球技大会が休止し、1巻にて住吉が「茶番」呼ばわりしていた原因を(自分と正反対な)康介に絡んで来る芽吹が暴露してしまう。その内容とは・・・・・

>島は陸上部の幽霊部員だと発覚。

・・・・・さすがに驚いた。1巻の段階では全くそんな気配を感じなかったからね(何だかんだで公園には駆けつけたし)。そんな島の最高に感じたセリフを是非、引用したい。

>正論ばかり言いやがって。お前みたいに立派な奴に俺のことがわかってたまるか

・・・・・只の青臭い奴の逆ギレだろですって?その通りですよ(断言)。でも実際に俺自身も同じ事を何度、思っただろうか!そもそも中2病を通過しなかった輩なんて信用できるかって言いたい。ノ宮に子どもの頃から片思いし、康介が良い奴だからこそ嫉妬心に狂い、一方で康介を大親友だと思ってる島の揺れは強烈で感情移入しやすかったね。

 ノ宮への「嘘」が陸上部の居場所をなくしてしまっていた訳だが、このタイプの作品では、お約束通りに「陸上部に戻れ」って思うぐらいに本気で走り込んでいる。・・・・・或る意味で、R-1に毎年一回戦敗退して、ここ数年はR-1以外の舞台に挙がってないが、毎週土曜に即興で漫才のネタを書いたり、衝動的に発声練習してしまう外務ゆうメイトのアマチュアピン芸人:マッチ一本火事の元と重ねてしまったね(って島は毎日欠かさずだから、努力の量が全然違うだろ!)。

 島にとって康介は自分の理想の姿でもあった島が康介と競走することになる。実は康介が転校前にも競走しているのだが、当日は康介の体調が悪かったことが発覚。最後は4年間の成果を成し遂げるのは、お約束通りなんだけど「自分が嫌だから、自分に勝ちたい」という葛藤が感情移入してきて泣けて来る(そういう意味では就活中の人に程、お勧めしたい)。

 2巻のラストで(自分と真逆な)康介に絡んでくる芽吹編突入となる形で2巻に幕が閉じる。

 ってな訳で本日の『さくらディスコード』を語らせろはこれでお開き。お相手は人間やじろべえでした。来月も『よろしくメカドック』