前売り券を購入済みだったので1週間前に弟と『アーティスト』を鑑賞しに行った。今年に入って劇場で鑑賞した作品は『怪物くん』『海賊戦隊ゴーカイジャー』VS『宇宙刑事ギャバン』『テンペスト』『ダーク・フェアリー』『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』『ALWAYS三丁目の夕日』64、『しあわせのパン』『ヒューゴと不思議な発明』『TIME』『ドラえもん』ーのび太と奇跡の島ー、『戦火の馬』『宇宙戦艦ヤマト』2199ー第1章「新たなる旅立ち」ー、『HOME愛しの座敷わらし』『ジョン・カーター』『バトルシップ』『仮面ライダー』VSスーパー戦隊ースーパーヒーロー作戦ー、『タイタンの逆襲』に続いて18作目だ。

 アカデミー賞5部門に受賞した白黒のサイレント映画で設定自体をサイレントからトーキーに移行した頃の苦悩を描いた作品。僕はサイレント映画と言えばチャップリン、ロイド、バスターキートン、そして『まんが道』でも馴染みアポット&コステロのコンビなど一握りのコメディスターしか存じないけど、だからこそ予告を拝見すると新鮮に感じて、是非、世界観を堪能したくなった次第で或る。

 さて、そんな初心者の視点で感想を言わせて頂くと「是非、当時の白黒のサイレント映画を鑑賞したくなった作品」だった。サイレント映画は当然ながらセリフが無い。でも、だからこそ役者の表現力が重要でキャラクターの個性も十人十色で性格も分かり易く、ストーリーもシンプルで入りこみやすい。

 上記に挙げた当時のコメディスターは既に全員が物故者だ。勿論、当時の一握りに過ぎないとはいえ、彼らスターが当時の作品の「顔」であったことは間違いないだろう。そういった意味では客観的に捉えることが出来る現代映画として確立しているね。

 そしてサイレントからトーキーに入る頃に世界恐慌が発生する「不吉の予感」ぶりも導入するなど、史実に沿っていることも新鮮な発見だったね。主人公が葛藤する姿に「チャップリンの苦悩を感じる」と勝手に思い込んだぐらいだよ!サイレント映画のスターだった主人公:ジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)の相棒犬ってサイレント映画の頃には既に相棒として息が有っていたペテランだったのに歳を取らないね(笑)。個人的に、こち亀の初期に登場していた派出所の犬を連想した(笑)。尋常では無い頭の良さを発揮しつつも両さんの遊び相手として名パートーナーだったからね。

 そして帰宅途中に弟と話し合っていたことだが、サイレントはサイレントならではの面白さを感じると思うけど、もしもサイレントとトーキー。当時の人間だったら絶対にトーキー映画にお金払ってるね。何しろ、同じ値段でセリフ付きな訳だからね。