人間やじろべえの『アイリス・ゼロ』を語らせろ 第2回というモノ

 藤子作品を中心にマンガ大好きだが、意外と最近の作品には疎い人間やじろべえが現在連載中の作品で最もハマっている『アイリス・ゼロ』。2月23日に発行された5巻のレビューを3月に実況してたら無性に1巻から語りたくなったので6巻刊行までも時間が或ることだろうし、暫くは月刊連載という形で単行本紹介させて頂きます。DJ:人間やじろべえです。『よろしくメカドック』

まずは『アイリス・ゼロ』がどんな作品なのか簡潔に紹介するよ。

・『アイリス・ゼロ』(コミックアライブ09年6月号より連載開始)

 他の人には見えない何かが目に映る力・瞳(アイリス)を少年少女が持つことが当たり前となった世界。
その力を持たない欠落者(アイリス・ゼロ)である高校生の水島透は、ある日学園で人気の美少女・佐々森小雪にとある依頼を受ける。欠落者として目立たないよう「低視聴率」を心がけていた透だったが、小雪との出会いにより彼の学園生活は変わってゆく(ウィキペキアより引用)

 相変わらず説明下手で引用使用しまくってるのは申し訳ない!ジャンルで喩えると学園ミステリーなのだが、藤子F作品のSukoshiFushigiを追求するうえで貫き通した「日常からの飛躍ゆえの避けられないリアリティ」が描かれて、何だかんだで登場人物全員が普通の高校生で或ることが作品の魅力だと思ってる。まあ!そのことを以前にも当ブログで書いたことが或るのでペーストしよう。
http://blogs.yahoo.co.jp/ningenyajirobe/64235314.html
 透が欠落者ゆえに幼少期より「いじめ」を受けていたなら、メインキャラの連中もアイリスの持ち主ゆえに避けられない葛藤が鮮明に描かれてる訳なんだね。そして彼らとは反対に「只の嫌な奴」としてか描かれていないモブキャラだって普通の高校生だ。さて、ここで漸く2巻の中身に入らせて頂く。

2巻収録(2009年12月号~2010年4月号)
・5話「運命を視るモノ」
・6話「人性の意味なんてモノ」
・7話「生徒会なんて聞こえの良い雑用みたいなモノ」
・8話「文化祭というモノ」
・9話「見てもらいたかったモノ」
帯コメント寄稿者:平坂読(『僕は友達が少ない』著者)

 
 今回のエピソードは第5話・6話が透の親友:篠塚聖のアイリス「死期が視えるアイリス」と透との出会い。後半が文化祭。この中で俺が最も気に入ってるエピソードは

>第7話「生徒会なんて聞こえの良い雑用みたいなモノ」

・・・・・一応、文化祭編に入るのかな?とはいえ俺自身としては普段の『アイリス・ゼロ』から離れた脱線回として気に入ってるんだけどね。なまじ私が『アイリス・ゼロ』の単行本で最も気に入ってるのが巻末おまけマンガ「アイリス黒」と次巻予告と言っても過言ではないだけに原作担当:ピロ式先生の「ネタ書く方芸人」としてのセンスが最高の透と小雪の即興コントが最高だったね。コンビの役割で喩えると透が「ネタ書く方芸人」で、小雪が「からかわれやすい実直いじられキャラ」ってとこだね。

 2巻お気に入りエピソードは第7話だと書いたが、小ネタ最高シーンは文化祭での軽音部員。と言っても直接登場した訳では無い。

>方向性の相違で解散したことを報告したロケンローな貼り紙

・・・・・生徒の中で欠落者は透のみ(だと思われる)ので、彼らも何らかのアイリス所持者(な筈)なんだけど、だからこそ音楽好きゆえに譲れないエゴから解散するを避けられなかった普通の高校生で或ることを実感する最高のロケンローなシーンだね(大笑い)。それにしても透と同じクラスの久賀ちゃんが第7話で申請書類を提出しに来た理由って何だろう?文化祭に行ったら行ったで遠くから北条君をストーキングしそうなタイプの女の子だけに・・・・・実は北条君が軽音部員って裏設定が存在していたとか?


 前半の透と聖の出会いを描いたエピソード。1巻の結城あさひの嘘が見えるアイリスに継ぐ「アイリス所持者ゆえの避けられない葛藤」が描かれていた訳だが、「死期が視えるアイリス」と言っても絶対的な運命ではなく、判断次第で回避出来るのが救いだね。そして2巻で描かれる聖は「好きになった女の子を救おうとして客観的に判断が出来ず彼女の運命を変える適格者にはなれなかったストーカー」です。・・・・・書いてることが矛盾してるって?『アイリス・ゼロ』だけに自分の確かめろってことです。


 文化祭の結末で小雪にとって「恋の相談の適格者」と診断された久賀七瀬が小雪に「感情が色で解るアイリス」を所持していることをカミングアウト。私はアライブ読者では無いけど、もしも『アイリス・ゼロ』の「お節介キャラランキング」が実施されたら迷わず久賀ちゃんに投票するね。普段は人見知りで修学旅行のグループ作りでも声を掛けられないのに文化祭編では無意識とは言えども、透にヒントを与える発言したし、後のアイリス狩りは説明するまでもない。なまじ人見知りが激しい性格だけにお節介キャラが際立って目立つね(そういえば1巻では透に報せに行ったのも班の中で彼女一人だった)。そんな彼女だけにアイリス狩り解決後に早退した小雪の家に見舞いに行くエピソードでの「なる」と「応援するね」の名台詞は「やっぱり久賀ちゃんは小雪の恋の相談の適格者だ」とアイリス狩り解決後だからこそ実感するね。