本日は新のび太と鉄人兵団のオンエアでしたね。大長編ドラだと7作目のリメイクになります。現在公開中の奇跡の島はオリジナル。昨年と違い藤子ファンの間では評判が悪い。実を言うと僕はまだ行ってない。なまじ自分は劇場で鑑賞した映画の数をカウントしているだけに「ドラの映画は10本目狙い」と決めてるのが原因なんだけどね。現在劇場で鑑賞した本数は7本。何とか来週の日曜に達成したい。藤子ファンの間で評判が悪いとは言えども、藤子F先生同様に絶滅動物愛を描いた作品で或ることには間違いないわけだし、テーマが確立されてるからこそ(やはり藤子ファンの間で評判が悪かったオリジナル)緑の巨人伝同様に押しつけられる感覚も覚悟は出来てる(何気に僕は緑の巨人伝も好きです。2年前の人魚大海戦は微妙だけど)。それに俺自身が子供の頃からドラが大好きなことには何ら変わらない訳であって、とりあえず開き直って楽しんできますよ。

 さて、本日が新のび太の鉄人兵団のオンエアだった訳ですが、CM多すぎ(苦笑)。収集していないけどミジョー・ショートさんのブログの影響でトミカに興味が或る自分はブーブのファーストライドシリーズ欲しいとか、映画好きなので以前から注目していた『僕達急行』や『愛しの座敷わらし』のCMついにキターって感覚だったのだが、もう少し縮小したらエンドロールカットされずに済んだかも?って思ってしまう(と言いつつも地上波のオンエアでエンドロールカットしないのってジブリぐらいな気もするが)。そして藤子ファン的に前者が昨年亡くなった(『未来の想い出』の監督でも或る)森田芳光監督の遺作で藤子F先生同様に鉄道愛を描いた作品で、後者が嵐のリーダー主演『怪物くん』のヒロシ役の浜田龍臣君が出演している作品だったりする(座敷わらしという題材自体が僕の琴線に触れるね)。

 いい加減にレビューに入れってクレームが来そうだから、本題に入ろう。この新のび太の鉄人兵団は私自身、大山のぶ代さんから引き継いだ水田ドラの中で現段階で最高傑作だと思ってる。正直、当初はビッポに不安視しかしていなかった。俺は公開2週目の日曜日に鑑賞したんだが、鑑賞済みの藤子ファンの間で評判も良くピッポが重要な存在で泣かせるって聞いた時も半信半疑だったのも本音。しかし、実際に鑑賞して納得

                  ピッポ=ジュドって訳ね。

 見落としがちだけどジュドも「感情の或る生き物」って訳であって、良い意味で子供向けの作品だなって感じた。何故「良い意味で」って捉えたかと言うと、藤子F先生のセンスに固執してしまうと「マニアの独りよがり」になるだけだからで或る(このテーマに関しては後ほど説明する)


・千秋さんがドラミ役で絡むようになってから、無理矢理ドラミを絡ませることが多くなった水田ドラ。なまじ新のび太の宇宙開拓史は大長編ドラ2作目にあたる原作付きなだけに本来の大長編ドラの魅力を損なう結果になったように感じたんだけど、今回は未来カタログを目の前に電話するシーンのみで、しかも「見ず知らずのリルルにはっきし言われて気にしていたママのイライラ感を増長させた」という、或る意味で「さりげないんだけど、笑いを取るには重要なアレンジ」を楽しませて頂いた(笑)

・リルル同様にジュド=ピッポものび太たちと共に過ごすことで改心するというテーマ自体が、この作品のリメイクゆえの見所だと感じてる。このリメイクは寺本珠代という女性監督の作品なんだけど、それがプラスにもなってると思う。と言うのも、

>のび太と鉄人兵団においては、しずか&リルルの交流がメインだからで或る。

 寺本さんが監督に携わるのはー新のび太の魔界大冒険(大長編ドラ5作目のリメイク。水田ドラでは2作目)に続いて2作目なのだが、原作にないしずちゃんと美夜子さんの女の子同士のやり取りが最高に良かった。僕は奥華子さんを中心に女性歌手で好きな人は多いし、少女マンガや少年誌に連載された女性作者による作品でも好きな作品は多いので、制作側の性別が作品に良い方向に進行することも重要だと感じてる。しずちゃんがリルルに自分の私服を薦めるシーンはやっぱり好きだね(と言うより青少年育成条例に屈せず原作同様にフルヌードのリルルを看病すること自体が最高だ。のび太と鉄人兵団自体が「人間と同じことを繰り返してる」や「時々理屈にあわないことをするのが人間なのよ」がテーマの作品と言えるからね)。「勝手に壊れちゃえば良いんだわ。やはりロボットに人の気持ちが通じる訳がないのよ」と憤怒していたしずちゃんが引き戻ったのが「捨てられた人形を目撃して」というアレンジも好きなシーンです。

 さて、ここまでは藤子作品のことをほとんど知らなくても誰もが知ってる国民マンガとして『ドラえもん』が好きな人向けに普遍的な魅力を語ってきたのだが、藤子ファン的なマニアックな見方を説明しよう(なるべく、分かりやすく語ろうとは思うけどね)。ジュドが生き物だとは先ほど説明した通りだが、新のび太の鉄人兵団を鑑賞後でもピッポに納得出来ない藤子マニアがいても不思議では無かったりする。と言うのも

>原作ではスネ夫の提案通りに脳を改造している。

 藤子作品を数多く愛読してきたファンほど「F先生らしいセンスだ」と感じる筈だ。まあ、この内包されたブラックユーモアの面白さは他の藤子作品(この表現方法に関してはF先生の作品)を数多く愛読しているからこそ実感出来る感覚なんだけど、のび太の鉄人兵団のテーマ自体が「丸で人間と同じことを繰り返してる」であって、「ドラが自分の都合の良いように改造すること自体がF先生のセンスなんだ!ピッポなんて只の子供騙しだし、元々が泣ける作品だけど奴隷制度を導入したことにより感動を押し付けられたのことにも憤りを感じる!」と憤慨するマニアの発言を是非拝見したかったりするんだけどね(大笑い)

 とはいえ、マニアファンの独りよがりさを押し付けてるだけの発言なのも事実な訳であって、ピッポの導入によりメカトピアの階級差別が描かれた元々泣けるーのび太と鉄人兵団ーの泣ける要素を強調した作品としても大好きです(ミクロスの出番が少ないのが残念ですが)。そして、ドラやのび太がザンタクロスを楽しそうに組み立てたり、のび太たちが鏡面世界を楽しんだり、そして何と言っても、のび太が居残りさせられてるときに「先生には分からないんだ。ザンタクロスを失った僕の気持ちなんか」と嘆いてるシーンが描かれてるからこそ『ドラえもん』を児童マンガとして楽しんだりしています。

 バンプオブチキンの「友達の唄」は最高の名曲だと感じていただけに、出だしのみでカットは痛い。自分が20歳過ぎてから、急激にJポップの最先端に疎くなったのでブレイクした「天体観測」以来、約10年ぶりにバンプオブチキンの歌を聞いたんだけど、『ALWAYS三丁目の夕日』64の主題歌も含めて、彼らの歌には現段階で僕の中では、どれも大当たりだね。水田ドラ1作目で大長編ドラ1作目のリメイク「のび太の恐竜2006」の主題歌「ボクノート」(スキマスイッチ)と「友達の唄」が水田ドラの映画主題歌ではマイベストです。