前売り券を購入済みだったので日曜日に弟と『しあわせのパン』を鑑賞しに行った。今年に入って劇場で鑑賞した作品は『怪物くん』『海賊戦隊ゴーカイジャー』×『宇宙刑事ギャバン』『テンペスト』『ダーク・フェアリー』『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』『ALWAYS三丁目の夕日』64に続いて7作目だ。公開が1月28日なので実を言うと2月に鑑賞予定だったのだが、弟の都合や上映時間の席の確保なので何度も鑑賞するタイミングを逃し、上映終了間近にようやく鑑賞した。

 北海道の月浦を大地に泊まることも可能なパンカフェ「マーニ」を舞台にした作品で、大泉洋さんと原田知世さんが夫婦役で主演の作品。ポスターの雰囲気に癒され、尚かつ俺は紺野真琴が主役のアニメをきっかけに筒井康隆原作小説を購読し、原田知世主演版もレンタル鑑賞した程の時かけファン。大泉洋さんも面白くて好きだ。以前はミーハーのことを避難していた俺だが他人のことは言えん(苦笑)。それにしても原田知世さんって年下好きの俺が普通にストライクゾーンに可愛いね。そして、現在の月9ドラマ『ラッキー7』は大泉洋さんと2年前に上映された時かけでも主演することになる仲里依紗さんが共演しているのも時期的にタイムリーだね。元々探偵もの自体が好きなので毎週視聴してます。

 この手のタイプの癒し系作品は映画通ほどスルーされそうな気がする。女の人向けで簡単に片付けられると思う。だが、この作品は邦画だからこそ表現可能な魅力が漂っていると感じる。ここ数年アニメファンの間でも聖地巡礼は流行っているが、元々オタクってのは聖地巡礼が好きなんだよう!また作風の雰囲気からして女性が描いた作品なのは想像出来る。実際に三島友紀子さんが監督・脚本を担当している。少女マンガも好きな自分にとっては異性だからこそ表現可能な内面的な部分なども理解を示したりするので、女の人向けだからと言って侮れないのが僕の捉え方だ。

 この作品は1年を通した来客の人間ドラマが展開されていく。

夏・彼氏に沖縄旅行をドタキャンされ、一人寂しく月浦を訪れた斉藤香織(森カンナ)がマーニで地元から出られずにもがいてる山下時生(平岡祐太)と出会う。

秋・両親の離婚により心を閉ざしていた未久(八木優希)ちゃんがバス停に佇んでるところを水縞夫妻はマーニへ誘う。

冬・阪本史生(中村嘉津雄)は阪神大震災で一人娘を失い、余命まもない妻:アヤ(渡辺美佐子)と無理心中しようと二人の思い出の地:月浦に来た。

 若者、父子家庭の女の子、老夫婦と年齢も様々。だが一環しているのは「もがき苦しんでる」ってこと。りえ(原田知世)さんのが二日酔いの香織を諭した「私も無理して笑うことがあるんですよ」ってのが、この作品のテーマとも言える。何が言いたいのかと言うと癒し系の作品だからこそ、現実と向き合って生きることの大事さを突きつける作品ってことなので或る。

 又、常連客は個性的なキャラクターでユーモアにも溢れていた。ガラス細工師の陽子(余貴美子)さんの地獄耳ぶり、りえさんに惚れてる郵便屋(本多力)のストーカーぶり最高!『ゲゲゲの女房』で影の薄い同居人として出演されていた中村靖日さんが演じていた子だくさんの旦那の「元気な味だよ」は可愛そうだと思いつつも、食物連鎖で我々が生きているんだなーと実感する最高のブラックユーモアだ!

 季節に応じたパンのメニューは美味しそうだし、月浦の景色、人間だからこそ向き合わなければならない葛藤!そして脇役陣による個性的なキャラクターによるユーモア性!様々な意味で素敵な作品だった。