1週間前だが『怪物くん』の3D上映を鑑賞しに行った。今年の元旦はトリビアの10周年がオンエアされたので映画の日とは言えども映画鑑賞しに行かなかったので、今年に入って最初の劇場での鑑賞で或る。そして昨年末は53本の映画を劇場で鑑賞したが、50本目が『怪物くん』の2Dだった。新のび太の鉄人兵団ですら前売り券購入分のみの1回しか鑑賞しに行かなかった僕だが、年末に公開され年が明けても上映されているので昨年今年と劇場で鑑賞した映画ラインナップに入れたかったので或る。

・・・・・繰り返し語っていたし、お前独特の藤子ファン的価値観なんて興味ないって?僕の場合は自分が劇場で鑑賞した映画もカウントしているので譲れないんですよ。さてTVドラマ同様に西田征史さんが脚本を書いてる劇場版だが、中村義洋監督の作品を鑑賞しに行ったのは2年前の『ゴールデンスランバー』に続いて2作目だったりする。2D版を鑑賞したときは日曜だったこともあって家族連れが多かった。藤子・F・不二雄ミュージアムの開館と言い、何だかんだで現代っ子にも藤子先生の作品は受け継がれてるんだなーと実感しつつも、僕が子供の頃は20時以降の番組を視聴させて貰えなかったので土曜21時に放送されていた『怪物くん』を子供たちは視聴していたんだなーと思うと単純に羨ましかった。3D版は1週間前なので水曜の夜中に鑑賞している。

 俺は寺村輝夫先生の王さまシリーズも好きなのだが、或る意味で嵐のリーダー主演『怪物くん』は第1シリーズの頃の孤独な独裁者的な雰囲気が強い気がする。王さまシリーズも第2シリーズの頃だと丸くなって本来の王さまシリーズの面白さが台無しになった気がするのだが、わがままながらも正義感が目立つようになり、どちらかと言うと原作の『怪物くん』の雰囲気を感じる気がする。何気に映像化されると大概の作品が原作のダークさが薄くなるのに『怪物くん』の場合は真逆なのも珍しいパターンで或る(と言いつつも原作の『怪物くん』ひとり旅のエピソードに関してはドラマ版なみに性質が悪かったりする)。

 ドラマ版は毎回テーマが決まっていたが、今回の映画のテーマは「わがまま」。何だかんだでドラマの『怪物くん』はテーマが毎回決まっていたからこそ最終回ではデモキンとの対決を通して「悪魔族最高」だなんて言えるほど、成長したりしたような気がしたのだが、今回は或る意味で原点に戻った感覚を抱いたのは俺だけだろうか?(スペシャルも含めて全部視聴したとは言えども繰り返し視聴したことが無いので説得にも欠けるって言ってしまえばそれまでえだけどね)。そして大野智さん主演版全体に言えるのだが、大野版『怪物くん』自体が柄が悪いし毎回テーマが決まってるので勧善懲悪ではないところも好感を抱くね。岩石男の役柄も怪物族の封建制度による逆襲が描かれてるという点では『罪と罰』を連想すると言うかね(俺は手塚治虫先生の描いた『罪と罰』が既読済みなだけでドストエフスキー原作の長編小説は未読だけどね)。そしてA先生作品の『怪物くん』が少年画報と少年キングに連載され、アニメが放送されるなど人気を博していた時期に小学館学年誌にアニメ企画を先行する形で連載がスタートしたのがF先生作品の『ウメ星デンカ』だったんだよなー。

 そして役者さんのインタビューでは是非、ヒロシ役を演じた濱田龍臣君のインタビューをパンフレットに引用したい。

>僕が思うヒロシは少し怖がりだけど、「自分で頑張るぞ!」って決めたら頑張れる男の子。今回演じたカーも、少し怖がりで「やろう!!」と思っても、なかなか出来ないけど他の人のために頑張れるから凄いなーと感じました。そんなカーを演じるとき、自分ともヒロシとも違う元気いっぱいな感じではなく、少し控えめ感じで演じました。

 マンガ原作を生身の役者さんが演じると微妙に違和感を抱いたりするものだし、ヒロシも原作通りのキャラクターかと問われると微妙と言うか、『NIN NIN』のケンイチ氏にも同じことが言えるけど「藤子作品ののび太ポジションのイメージ」ってのも一般の人たちの間で原作存じないからこそのイメージも確立されてる気がする。僕自身、いじめられっ子だったし「あすなろ精神」自体が藤子作品の魅力なので否定するつもりは無いが、濱田君の演じたヒロシは何だかんだでA作品のび太ポジションの調子のよさも健在だったりすることもドラマ放送されていた頃から注目はしていた。そして濱田君のインタビューって原作やアニメのヒロシにも通じるヒロシの印象でも或るんだよね。そういう意味では20歳年上の藤子ファンで或る自分がヒロシを演じた濱田君に逆に教えて貰った貴重な意見だと感じた。

 具体的な内容に関しては地上波オンエアで書きます。