◢◤私~そして「みづほの道」29◢◤
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私はいかなる組織にも宗教にも属していない
ただあるは神から授かった「道」のみである
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イタリアン・レストラン「モリゼ」は渋谷駅から近いということもあり、かなりのお客さんで賑わった。
有名人では作曲家の芥川也寸志らも学生を連れてやってきた。
日本を代表する音楽家が目の前で聞いている。
私は緊張して演奏したことを覚えている。
それはさておき、「モリゼ」のバーテンダーに佐藤君という私と同年代のナイスガイが勤めていた。
彼は山形の出身であった。
演奏の合間にカウンターで佐藤君とよく話しをしていた。
そんなある日、彼は私に耳打ちをした。
「実は新宿で空き店舗があるんだけど、こんど見にいかないかい」。
佐藤君は飲食業で自立したがっていた。
だけど自分だけでは自信がないので私に話を持ちかけてきた。
当時は演奏家がいなくては店が成り立たないという時代だったのだ。
しかもその佐藤君に話を持ちかけてきた人物がギターの弾き語りの笠島さんという人だった。
笠島さんは佐藤君を抱き込んでその店舗を経営したかったのだろうと思う。
後日、私と佐藤君と笠島さんでその店舗を見に行くこととなった。
そこは新宿区百人町の職安通りから少し入ったところにあった。
経営の意欲が湧いた私は「よし、やってみよう」という気持ちになった。
笠島さんは躊躇したが、私の実業の夢と希望は佐藤君を抱き込んだ。
しかしそこからがまた波乱の日々が続いたことは言うまでもない。