ご訪問くださり、本当にありがとうございます。

 

霊や生命について書かれています。

 

ですから、興味がわかなかったり、読んでいて不愉快になられるのなら、迷わずにスルーされて下さいね。

 

あなたの大切なお時間を無駄にしたくありません。

 

 

 

所要時間=18~20分程 です。

ご関心があればお時間のある時にでも、ゆっくりとお読みになられて下さい。

 

 

 

 

エステル・ロバーツの自著 『 Fifty Years a Medium 』 を翻訳サイトDeepLにて翻訳後、私にて全文確認しながら必要に応じて修正・加筆して記事化しました。

 

原著となる自叙伝は1959年に 『 Forty Years a Medium 』というタイトルで出版されています。

1969年、その後の10年間の人生についての章を加え、 『 Fifty Years a Medium 』 として最新のものとなっています。

 

 

Mistress of the Medium

 

霊媒の女王。


彼女の名前はエステル・ロバーツ (Estelle Roberts)。

 

彼女の不思議な霊能力は、子供の頃に初めて現れたが、その能力を伸ばすように勧められたのは、30歳で未亡人になってからだった。


それ以来、彼女の人生はスピリチュアリズムに捧げられてきた。


エステル・ロバーツは、存命中の最高の霊媒師として世界的に有名になった……生命そのものを超えた不思議な力を持つ女性である。

 

 

 

Fifty Years a Medium

Estelle Roberts

 

 

CHAPTER FOURTEEN
THE OTHER SIDE OF THE STORY

 

第十四章
物語の裏側
(物語のもう一方の側面)

 

 

《  》 内 は私が追記しています。

原著の体裁を変更しています。

 

 

 
 

 

(上記の続きです)

 

 

 

 

 

このページでは、実践的な霊媒の人生について説明しようとしました。

すでに説明した理由により、私はトランス《=入神》交霊会の間に起こったことを全く覚えていませんし、


透視やサイコメトリー、私が伝えた個人的なメッセージのためのシッティングの後では、それらを意図的に私の心から消そうとしているので、


私が書いたものは比較的少なく、その場合それらは私の記憶によってのみ成り立っているのです。

しかし、私は幸いなことに、私の多くの心霊体験や事例を詳細に扱った膨大な数の新聞記事、雑誌記事、私信の束を所有しています。

この本を書くにあたっては、これらを参考にしました。

どのケースを掲載し、どのケースを割愛するかを決めるのは、容易なことではありませんでした。

私の最初の考えは、いつでもどこでも、最も顕著な事例のみを選択することでした。

それは、自然な流れだったのでしょうね。

しかし、一般大衆から見たスピリチュアリズムは、少なくとも論争の対象であり、好奇心の強い一般人、とりわけ頑迷な懐疑論者は、私が主張するすべての事柄について確証が得られなければ満足しないであろうことを思い知らされました。

考えてみると、この証明の要求は無理からぬことではありました。

結局のところ、私の個人的な主張(保証)がどんなに誠実で真摯なものであったとしても、それを無批判に受け入れてくれる人がいると思うでしょうか?(それを期待するのは無理な話なのです)

したがって、私は、あらゆる職業、社会的地位、社会的階層、つまり様々な人間の断面から選ばれた人々によって、事実が保証されているものを優先して選んだのです。

このため、多くのエピソードは、起こった現象に特別な異常があったわけではなく、目撃者の名前と誠実さに起因しているのです。

同様に、私は、その詳細が発生した時点で全国紙や心霊新聞に記載され、その多くがその後、他の著者の本に掲載された印象的な事件を数多く紹介しています。

場合によっては、これらの証言を一部だけ使用しました。

独立した目撃者の書面による証言は軽々しく捨てられるものではないので、他のものは印刷されたものをそのまま模写しました。

この独立した目撃者のメモをもとに、このページを閉じたいと思います。

何年か前に、『Why I Believe in Red Cloud』(なぜ私はレッド・クラウドを信じるのか)という本が出版されました。

この本は、あらゆる分野の人々による一連の短いエッセイで構成されていました。

その中の一章をA.G.トンプソン博士(M.B.、B.Ch.)が書いています。

その一部をここに掲載しますが、それはこの文章が熱烈に訴えているからではなく、その理にかなった思慮深い表現によって、スピリチュアリズムの主張が明瞭かつ敬虔に述べられているからです。

また、この文章には、霊媒の目を通して見たスピリチュアリズムではなく、私自身のサークルの一人の注意深いメンバーが見た「物語のもう一方の側面」を与えるという、さらなる目的もあります。


以下は、トンプソン博士の証言です。

 

(以下、その引用)



私がエステル・ロバーツ夫人と初めて会ったのは、数年前に仕事で彼女の家を訪ねたときでした。

その後、彼女が見えるという霊について、何度か非常に興味深い話をしました。

医療に携わる者として、幻覚の犠牲になっている人々に出くわすことはもちろん少なくありません。

私はすぐに精神の異常を疑うべきでした。

しかし、私の頭にはそんな考えはありませんでした。

ロバーツ夫人はとてもまともで常識的な人で、《霊的な》ビジョンを見ても全く気にせず、当たり前のこととして受け止めていたのです。

やがて私は、心霊研究などの本で何度も読んだことのある霊媒という不思議な人たちに、生まれて初めて会えたことが幸運だったのだと思うようになりました。

ロバーツ夫人は私が純粋に興味を持っているのを見て、親切にも別の霊媒との交霊会に私を招待してくださり、そこで私はいくつかの非常に驚くべき物理現象を観察する機会を得たのです。

その後、彼女は、彼女のガイドであるレッド・クラウドが、彼女のダイレクト・ボイスのサークルに私が参加することを許可したことを教えてくれました。

当然、私はこの機会に飛びつき、それ以来、私はこのサークルに何度も参加し、また別のサークルにも参加しています。

このシッティングには、大きく分けて2種類あります。

どちらも霊媒がトランス状態になり、レッド・クラウドが彼女を通して話すというもので、暗闇は必要ありません。

一方は、シッターはレッド・クラウドと二人きりになり、レッド・クラウドが、シッターに話しかけ、亡くなった親族や友人を連れてきて彼らに話をさせるもので、もう一方はレッド・クラウドが集まった聴衆に向けて講演をするものです。

ダイレクト・ボイス交霊会では、シッターたちは、安楽椅子(肘掛椅子)に腰掛けた霊媒と大まかな輪を形成します。

中央には夜光塗料で装飾されたアルミ製のトランペットが置かれます。

始まりの祈りの後、明かりを消すと、部屋は真っ暗になり、トランペットの夜光塗料が見えるだけで、何も見えなくなります。

讃美歌が歌われ、その間に霊媒はトランス状態になります。

まもなくトランペットは動き始め、輪の中のさまざまなメンバーに触れていきます。

すぐにトランペットからレッド・クラウドの声が聞こえてきて、参加者に挨拶をします。

このタイミングで歌声が止み、交霊会の残りの時間のために蓄音機の電源が入るのが一般的です。

良いシッティングには、様々な小道具が必要とされますが、その中に蓄音機のレコードがあります。

ローズ・マリーの小曲を、特別に柔らかい針で弾くと、最も良い結果が得られました。

そのため、顕在化した声が聞き取りやすくなっています。

レッド・クラウドがシッターに挨拶してしばらく会話した後、

 

「ちょっと待って下さい!」

 

と叫びます。

これは、トランペットを通して他の誰かに話をさせることを意味します。

すぐに別の声が聞こえてきて、たいていは名前を呼びます。

シッターは、交霊会の前に証拠を与えないように警告されるので、その声は、彼または彼女が迎えに来た友人や親戚が認識できるようになるまで、さらなる詳細を伝えるように勧められます。

しかし、多くの場合、特に以前に出現したことがある場合、声はそのような励ましを必要とせず、遅滞なく友人に挨拶します。

声の種類はさまざまで、大きな声でささやき、断片的なフレーズを発するものから、音色と個性に富み、すぐに会話ができるものまであります。



さて、私の個人的な体験談です。

ダイレクト・ボイスのサークルでは、私の知る限り、私の信じる限り、霊媒がその存在を知っているはずもない様々な《亡くなった》親族が現れ、様々な形でその身元を私に証明してくれました。

トランスのシッティングで、20年以上前に亡くなった姉がレッド・クラウドによって私のところに連れてこられました。

彼女は自分のフルネームをはじめ、さまざまな情報を提供し、まだ生きている妹のことを姉の独特の言い回しで呼んだのです。

彼女は、私が持っているという彼女の本について言及しましたが、その存在について私は全く意識していませんでした。

そして私はその本を長い間探した末に見つけたのです。

私がダイレクト・ボイスの現実性を信じるのは、私自身の個人的な経験だけでなく、サークルに来る他のシッターたち(霊媒も含めて皆にとって初めての人、見知らぬ人であることが多い)が提供する累積的証拠に基づいており、その後、彼らはノートを交換します。

彼らの《亡くなった》親族や友人が現れ、しばしば最も顕著で特殊な方法で彼らのアイデンティティを証明するのです。

ある者は教養のある人々の口調と態度で話し、またある者はアスピリットaspirate、帯気音》や文法の規則を無視した声で話します。

また、スコットランドやアイルランドの訛りが顕著な人もいました。

スコットランド人が塹壕でかつての仲間と戦争の思い出話をするのを聞いたことがありますが、その仲間は「首の長いジンジャー爺さんはどうなったか」「将軍のブーツにどうやって油を塗ったか!」などを思い出していました。

すべて広義のスコットランド語です。

私は、老人や子供の声も聞きましたし、有名な公人の声も聞きました。

彼らは、その場にいた友人たちと独特の調子で会話しながら去っていったのです。

このような現象について、一部の霊媒の詐欺や一部のシッターたちの信心深さが原因だという一般的な説明は、明らかにナンセンスです。

それは、霊媒やその仲間たちが暗闇の中で見ることができる能力、つまり暗闇の中であらゆる種類のキャラクターや腹話術師を演じることができ、

同時に名前や事実に関する最も驚異的な記憶力を持ち、一種の超探偵機関によって収集されなければならず、

その費用は情報を得た人々に支払う脅迫料に匹敵するだけでしょう。

しかし、この方法でも、多くの事実が得られないため、現象を説明することはできません。

私は、事実を受け入れながら、それを説明するために「テレパシー、クリプタエステス(千里眼)、プロソポイエーシス」という祝福すべき言葉を持ち出してくる、科学的に高い地位にある評論家たちの考え方に話を移そうと思います。

彼らの理論は、霊媒の無意識はいくつもの二次的人格に分割され、それぞれが独自の役割を果たし、サークルの参加者だけでなく、非人格的な宇宙意識とも言えるものから知識を引き出しているというもので、その中では人格は消えても、思考や記憶は持続しているのです。

これらの理論について詳しく説明し、批判することは、この章の範囲外です。

いずれにせよ、これらの理論の著者は、現代の多くの科学者が辿るような安易な道を選ばず、自分たちの特定の図式に合わない事実を無視したのです。

しかし、第一に、いかなる個人の無意識も、必要とされる驚くべき方法で拡張できるという証拠はないこと、第二に、人格が共有しない意識のいかなる形態についても知識がないことを指摘しておかなければなりません。

ダイレクト・ボイスの現象を何度も観察する機会があった者にとっては、これらの理論は幻想的であると同時に説得力がないように思われるのです。

シッターたち、特にサークルに入ったばかりの人たちは、過度に信用しようとしません。

彼らは普通の人々であり、その態度は逆に批判的になりがちです。

母親が息子の正体について、あるいは夫が妻の正体について、このような擬人化personification によって簡単に、そして必ず騙されるとは考えられないようです。

これらの仮説は、他の多くのよく知られた超物理的事実superphysical facts をカバーすることができません。

個人的には、霊のガイドがそうであり、声がそうであると主張することを素直に受け入れる以外に、ダイレクト・ボイスの現象の説明はないように感じています。

先日、ある講演者が無線で言っていたように、「人々が暗闇の中で普通のサークルに参加すると、何が起こっているのかよく観察できない」というのは全くその通りですが、

 

問題の核心はメッセージの内容であって、トランペットの超常的な上げ方でも声の出し方でもないのです。

トランペットの超常的な上昇に関しては、証拠を研究した人なら誰でも、テレキネシス(物体の超常的な動き)と物質化が、もはや反論の余地がない事実であることを知っています。

ルディ・シャイダーとクルスキーは、このような物理現象霊媒を使った入念な科学的実験を行い、疑いの余地を与えなかったのです。



さて、こうしたダイレクト・ボイスのサークルにおいて、レッド・クラウドは、トランペットはエクトプラズムのロッドrod、竿》によって動かされ、声はトランペットの中で生み出されると語っています。

私は個人的には、彼の発言を喜んで受け入れます。

あまり詳しく調べようとすると、霊媒が傷つく可能性があり、危険です。

私が最も直接的に確認できたのは、ある時、霊媒が非常に独特で、すぐにわかる咳をしていた時です。

私は彼女の近くに座っていましたが、彼女の咳払いが聞こえると同時に、彼女から約8フィート離れた場所で声がしていたのです。

もちろん、レッド・クラウドのボイス・サークルは同じような現象が起きている数あるサークルのうちの1つに過ぎません。

世界各地から、これと似たような現象が報告されているのです。

このテーマを扱い、個人的な体験を記した新しい本が絶えず出版されています。

この事実を否定することはもはやできず、私が述べたような線で説明しようとする非常に多くの科学者たちによって、現在では認められつつあるのです。

私は、これらの理論を支持する人々は、現象を最高の状態で観察する十分な機会を持っていないと考えざるを得ません。

第一級の霊媒は極めて稀であり、その活動を友好的で本当に必要としている人々に限定する傾向があり、科学的研究者の敵対的な態度(それ自体が現象を抑制する傾向がある)を避けようとするのでしょう。

この点で、雰囲気が少しでも訓練されると、サークルがいかに簡単に乱されるかに注目するのは興味深いことです。

レッド・クラウドは、シッティングの間、常に緊張しないようにと私たちに促しています。

実を言うと、彼はそれを言わずにトランペットで小躍りすることが多いのですが、経験豊富なシッターたちはその意味が分かっています。

また、敵対的であれ、その逆であれ、あまりに感情的な雰囲気は、コミュニケーションを円滑に行う上で不利に働くようです。

さらに、情報提供を求めることは、その力の妨げになるようでやってはいけないのです。

たとえば、かなり懐疑的な奥さんが、自分のアイデンティティのとても良い証拠を与えてくれている《亡くなった》ご主人に、彼がかつて奥さんを呼ぶのに使っていたペットネームを教えるよう繰り返し要求しているのを聞いたことがあります。

すると、そのご主人は言葉を濁し始め、トランペットは鳴りを潜めてしまったのです。

そんなにしつこいのはダメだと彼女は注意されました。

しかしその後、会話が弾んでくると、ご主人は、まさに彼女が望んだ名前で呼んでくれたのです。

もちろん、この事件はテレパシーで簡単に説明できるのですが、私がはっきりさせたいのは、良い結果を得るためには、声に自分のやり方で証拠を出させるのが一番良いということです。

そのためには、会話は自然なものであるべきで、突然の要求や質問によってその糸が切れてはならないのです。

このような存在がいるはずの状態とは、つまり、地上の私たちとコミュニケーションをとるために彼らの振動vibrations が、"低く調整された" 超物理的な状態であることを忘れてはならないのです。

私の《亡くなった》親族の一人は、初めて《ダイレクト・ボイスで声として》顕在化したとき、

 

「おまえのエーテルを一杯飲んでいるようだ」と言いので、それはどういう意味かと質問すると、「もちろん、おまえの医学的な代物だよ」と答えました。

《霊の》コミュニケーターの多くは、《交霊会に》初めて来ることにとても興奮しています。

無責任なシッターから投げかけられる質問にいちいち答えるのは、混乱した状態の彼らにとって、どんなに大変なことか容易に理解できます。

私たちは、日常生活の中で、普段はよく知っている名前や事実を突然尋ねられると、それを一時的に全く引き出せないことがあることをよく知っています。

このような困難な状況下で、死後のパーソナリティpersonality、個性、人格、性格・・・》の存続を示すこれほど素晴らしい証拠が得られ、また与えられていることに、私は驚きを感じます。

ロバーツ夫人がトランス状態になると、彼女自身のパーソナリティは全くなくなり、代わりにレッド・クラウドのパーソナリティが現れるのです。

レッド・クラウドのパーソナリティは際立ったものです。

彼は支配的であると同時に、非常に魅力的なキャラクターです。

彼はボイス・サークルの進行を担当し、最も知的でしばしばユーモラスな方法で話し、声の間でコメントするだけでなく、トランス状態の霊媒を通して話す機会には、あらゆる種類の主題について演説をするのです。

これらの集会では暗闇はなく、霊媒がトランス状態になるまでの数分間と、トランス状態から脱するときにだけ明かりが落とされます。

トランスに入る過程は見ていて面白いものです。

ロバーツ夫人は安楽椅子にもたれ、できるだけ楽な姿勢をとり、目を閉じるとすぐに激しい呼吸をし始めます。

数分後、彼女はおもむろに腰を上げました。

顔の表情がかなり変わっています。

頭は前かがみで、目は閉じたままです。

レッド・クラウドがここにいるのです。

彼は奇妙な言葉で1つか2つの言葉を発し、私たちに挨拶します。

いくつかの質問をしたり、メッセージを送ったりして、講演が始まります。

人生の意味、人格の本質、魂の死後生存、《霊の世界の》領域とその界層の様相などについてです。

彼は、私たちに、もっと善いことをするように と、飽きることなく励まします。

彼は、現世は魂の学校であり、各人が自分自身の救済を行わなければならないと主張しています。

彼の教えの大部分は、人類の偉大な宗教からドグマを取り除いたものです。

彼は、真理と愛という偉大な価値観と、自分自身と仲間に対する責任を強調しています。

彼独特のアクセントと限られたボキャブラリーで、自分の言いたいことを伝えようとする彼について行くのは難しいのですが、

 

私は、英知wisdom、見識、分別、知恵・・・》という計り知れない才能をもった偉大な魂を目の前にしているような気がするのです。

彼の思想の中には、たとえば思念の力に関するものなど、私にとって、極めて独創的なものがあるように思われます。

もちろん、こうした彼の見解の多くを検証することは不可能です。

中には空想的に見えるものや、先入観にとらわれた科学的信念と衝突するものもあるかもしれません。

しかし、彼はいつでも質問に答える用意があり、決して答えに窮することはありません。

私自身がそうであるように、彼を別世界から我々に語りかけてくる本物のパーソナリティとして受け入れるならば、少なくとも彼の言葉に耳を傾けることは我々の義務と言えます。

彼の理想は非常に高いものであり、それについ自説を譲らない態度をとることもあります。

しかし、彼は無謬性infallibility、絶対的な正しさ》を主張するのではなく、彼自身が見たとおりの真理を私たちに教えてくれるのです。

たとえば、自由意志free will についての彼の見解を見てみましょう。

彼は、人間は完全な意志の自由を持ち、それはただ、その人の心の状態によって制限されるだけであり、何が正しくて何が間違っているかについての啓示illumination、明かり》は、いつでも与えられると主張しているのです。

心理学者の多くは、この自由は非常に限られていると考えており、現在でも厳格な決定論の教義に縛られている人もいますが、意志の自由に関する私たち自身の直観を彼が支持してくれたことは喜ばしいことです。

これらの問題に関して非常によくある批判は、いわゆるガイドと呼ばれる人たちから重要なことは何も伝わってこないということです。

今、私には、レッド・クラウドが、その霊媒の知性と能力を超える重要な事柄を論じることができ、また実際に論じているように思えるのです。

彼は、例えば時間を超越した状態など、私たちにはおそらく想像もつかないような、あの世の状況についての考えを伝えようと努めています。

しかし、同時に彼は、私たちのパーソナリティの本質や構成、他の存在の状態state、段階、境涯・・・》など、少なくとも私たちがある程度把握できる事柄についての豊富な情報を私たちに与えてくれるのです。

リシェ教授は、科学においてあの世から新しいアイディアがもたらされたことは一度もないと不満を述べています。

しかし、哲学者なら誰もが認める、現実を抽象化したものに過ぎない私たちの知る科学が、向こう側の世界で同じように適用されない可能性があるのは確かでしょう。

乱暴な言い方かもしれませんが、超物理的な存在にとって、その知識の多くを私たちに伝えることは、私たちの世界で生まれつき目の見えない人に視覚の価値を伝えるのと同じくらい困難なことなのかもしれないのです。

いずれにせよ、レッド・クラウドのようなガイドが伝えてくれるかもしれない異世界の知識の断片を、私たちはひもとくことが大切です。

レッド・クラウドによれば、そのような異世界の知識は、忘却の彼方に埋もれて久しい文明が持っていたものだということです。

もし、そのような知識を再び手に入れることができれば、現在の科学的展望を大きく広げ、場合によっては変貌させ、物事のスキームの中での自分の位置について何らかの考えを持ち始めるかもしれない、と思いたくなるものです。

超越的な問題の研究は、通常、神学や哲学の領域だけにあると考えられていますが、一方は教義によって、他方は言葉巧みな曖昧さによって、しばしば重圧にさらされているのです。

しかし例えば、物理的な調査やレッド・クラウドのような存在との交流に見られるような直接的方法は、長い間人類を当惑させてきた生と死と来世の謎の解決に近づくための歓迎すべき道を与えてくれるのです。


(以上、引用)

 

 

 

 

(第15章 へ続きます)

 

 

 

 

 

ここまでお読み下さり、本当にありがとうございました