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ご訪問くださり、本当にありがとうございます。
霊や生命について書かれています。
ですから、興味がわかなかったり、読んでいて不愉快になられるのなら、迷わずにスルーされて下さいね。
あなたの大切なお時間を無駄にしたくありません。
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所要時間=11~13分程 です。
ご関心があればお時間のある時にでも、ゆっくりとお読みになられて下さい。
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Fifty Years a Medium
(Estelle Roberts )
CHAPTER ELEVEN
MORE DIRECT VOICE
第11章
さらにダイレクト・ボイス
その4
《 》 内 は私が追記しています。
原著の体裁を変更しています。
(上記の続きです)
*
モーリス・バーバネルはユーモアのセンスがあり、ボイス交霊会のシッターの一人から聞いたこの話を、彼が真っ先に喜ぶと私は思っています。
ダイレクト・ボイス・コミュニケーションの最大の欠点は、緊張感です。
あるときレッド・クラウドが連れてきた可哀想な霊は、必死で話そうとしていたのですが、緊張した雰囲気の中で、その努力を放棄せざるを得ませんでした。
レッド・クラウドがバーバネルのことをそう呼んでいた "ジョン" は、
「レッド・クラウド、彼のために祈りましょう」と言いました。
この時、レッド・クラウドは、
「ジョン、慈善 《charity、施し、思いやり・・・》は家庭から始まるんだよ!」
と笑いながら答えました。
その後、笑いの中で、雰囲気は和やかになり、しばらくして霊のコミュニケーターは再挑戦し、コンタクトを取ることができたのです。
*
私の経験では、ベッシー・マニングのように、祈りが直接の結果となったケースはたくさんあります。
ロイヤル・アルバート・ホールでのある集会で、レッド・クラウドから、私が知っていると思った名前の男性宛てのメッセージを渡されたときのことでした。
そのメッセージはデリケートでプライベートなものだったので、私は聴衆にそのことを告げず、後で注意深く確認するために書き留めておきました。
集会が終わってから、私は聞き覚えのあるその名前について調べると、それが著名な国会議員のものであることを知り、驚きを隠せませんでした。
私は、この議員や彼の夫人が出席していたかどうかをスチュワードたちに尋ねたのですが、誰にも分かりませんでした。
困り果てた私は、モーリス・バーバネル氏に電話をかけたのです。
彼は、この娘さんの霊のメッセージの存在を関係者に伝えることを自ら申し出てくれました。
10分も経たないうちにその奥さんから私に電話がかかってきました。
そして、私はそのメッセージを伝えたのです。
彼女は私にお礼を言いながら、こう告白しました。
「私は夫と二人で聴衆席にいました。
私は、その場にいる間中、全身全霊を傾けて、子どもからのメッセージを受け取ることができるよう祈り続けました。
ありがとう、ありがとう、皆さんがして下さったことに・・・」
*
このカテゴリーに入るもう一つのコミュニケーションは、ロンドンのキングスウェイ・ホールで行った公開ボイス交霊会でもたらされたものです。
その詳細は、その場に居合わせたクリクルウッドのガートルード・ブルック夫人が、その後の出来事に直接関わったものです。
交霊会の間に、レッド・クラウドは
「霊界のある若い看護師が彼女自身の証拠を示すでしょう」
と発表しました。
すると、ある声が聞こえてきました。
「私の名前はオリーブ・メイ・マンです。
私はレスター診療所の看護師でした。
他の看護師と一緒に自転車に乗っていて殺されました。
母はマトロックの近くのタンズレーに住んでいます。
私はまだ生きていることを、でも、母が悲しむのを止めない限り、私が幸せになれないことを、母に伝えてください。
母はスピリチュアリストの教会に通い続け、私が生存していることを示す何らかのサインを出すように祈っているのです」
そして、トランペットは力の衰えとともに床に落ちてしまいました。
集会後、ブルック夫人と友人たちはコーヒーを飲みながら、この印象的な霊のメッセージについて話し合いました。
彼らは皆、少女の母親か友人か関係者が、看護師の霊の《交霊会を通しての地上世界への》帰還に立ち会わなかったことを残念に思ったのです。
ブルック夫人は数日間考え込んだのですが、積極的な行動をとれば自分に関係のないことに干渉することにならないかどうか、決心がつかないでいました。
そしてついに、レスター診療所の秘書に、その霊の証拠の一部を確認しても害はないだろうと判断したのです。
彼女は、この病院でそのような名前の看護師が働いていたことがあるかどうかを尋ねる簡単なメモを書きましたが、その情報の出所《=ボイス交霊会》には言及しませんでした。
すると、その看護師は18ヵ月前まで精神病棟で働いていたとの返事が返ってきました。
しかし、残念なことに、彼女は事故に遭い、院内で亡くなっていたのです。
ブルック夫人は、さほど苦労することなく、タンズレーに住むこの少女の母親の住所を知り、その連絡の詳細を手紙で知らせました。
すると、すぐにでもロンドンに来てブルック夫人を訪ねたいという感謝の意を示す返事が、返信として届いたのです。
母親はその約束を守り、二人はお茶を飲みました。
その後、二人はメッセージを受け取ることの望みを託しながら、シッティングのためにテーブルにつきました。
二人に失望はありませんでした。
そのテーブルには、次のように書かれていたのです。
「お母さん、あなたは私をとても幸せにしてくれました。
みんなに愛を込めて。
オリーブより」
*
私のミディアムシップによって、《亡くなった》アーサー・コナン・ドイル卿と頻繁に接触するようになったのは必然的なことでした。
彼は生前に、メリルボン・スピリチュアリスト協会での私の集会に定期的に出席し、クイーンズ・ホールで私と一緒に壇上から話をしたことも何度もあるのです。
彼の奥さんと家族も知っていて、息子のエイドリアンとデニスは、私のダイレクト・ボイス・サークルに時々来ていました。
アーサー卿の死後、ドイル夫人とその家族は、これらのシッティングで彼の声を聞いてきました。
その後に行われた交霊会では、彼らがいないときに彼がやってきて、少し長く話をしたこともあります。
このときのサークルは、スピリチュアリズムで最もよく知られた人物たちによって構成されていました。
その集会に、アーサー卿の声がぶっきらぼうに割り込んできたのです。
「ドイルです、
新しい新聞の創刊をお祝い申し上げるために、ちょっとだけお邪魔しました。
(これは、発売されたばかりの新しい心霊系新聞のことです)
前進せよ、常に真理のために立ち向かい、誰も恐れることなく」
そして、ハンネン・スワッファーが、自分がメンバーであるホーム・サークルで講演してくれたことに感謝し、また来てほしいと言いました。
「私はいつでも来ますよ」とドイルは答えました。
「しかし、なかなかそうもいきませんが、クレイズさんはここにいらっしゃいますか?」
パブリック・ミーティングでドイルの代わりにしばしば司会をしていたメリル・エボーン協会会長のジョージ・クレイズは、
「いますよ」
と言いました。
ドイルは「この霊媒《=エステル》をよろしく頼みます」と彼に強く要請しました。
「彼女は素晴らしい仕事をしています。
そして、スワッファー、君は今起きている真実のための戦いにおいて、我々の関心を注視して下さい。
大きな力が我々に対抗しているが、私たちは永遠に前進しなければならないのです」
ドイルはこの調子でしばらく続けました。
そして、帰る前に、彼の奥さんに『私の愛と情愛を込めて』、
息子さんのデニスには『仕事を前進させるように言ってくれ』
とメッセージを送りました。
またある時、アーサー卿が戻ってきて、ショウ・デスモンドと話がしたいと言ってきました。
デズモンドはこの通信が本物であることを疑っていませんでしたが、霊の話し手に自分の身元を証明するよう求めても損はないと考えたのです。
「あなたがコナン・ドイルなら、私たちが最後に会った場所を教えてください」と彼は言いました。
するとその声は、最後に会ったのはビクトリア通りの戸口で、突然の豪雨から逃れるためにそれぞれが逃げ込んだのだと答えました。
デズモンドはこの時のことを思い出していました。
*
コナン・ドイル卿がこの世を去ってから6日後、スピリチュアリストたちによる追悼式がロイヤル・アルバート・ホールで行われ、床から天井までぎっしりと人が埋まっていました。
出席者の多くは、アーサー卿が劇的に復活して、彼の約束を果たしてくれることを願っていました。
しかし、観客が期待したようなセンセーショナルな形では、アーサー卿は戻ってこなかったのです。
ドイル夫人が壇上の中央に座りました。
その傍らには、彼の肉体の不在を象徴するように、しかし彼の霊の存在を期待するように、わざと空席にした椅子が置かれていたのです。
周囲には《地上世界の》仲間たちとの交流を求める《目には見えない》霊人たちが大勢集まっていました。
私は透視によって30分ほど、会場にいる大勢の人々の中の一人一人にメッセージを伝えました。
しかし、アーサー卿の姿は見えません。
私は、彼が現れることを願いながら、ずっと周りを見回していました。
そして、観客が2分間の黙祷を捧げたとき、私は突然、彼が私のそばにいることに気づきました。
そのとき、私は一瞬ひるんでしまったのです。
彼はそれを見て、すぐに私をなだめてくれました。
「仕事を続けなさい、娘よ」
と言って、私を安心させてくれたのです。
そして、夫人の横に用意された「空っぽ」の椅子に座りました。
私は、アーサー卿が立ち上がって私のそばに来るまで、霊のメッセージを伝え続けました。
彼はゆっくりと、慎重に、ドイル夫人のためのテストメッセージを私に伝えました。
それは家族の一員に関する親密なもので、その日の朝に起きたばかりの出来事について言及していました。
そのメッセージはドイル夫人の夫から来たもので、彼女ともう一人の家族だけが、その小さな出来事が起こったことを認識していたので、ドイル夫人はそれを確信しました。
*
そしてその晩、私が透視をしていると、奇妙なビジョンが目に飛び込んできました。
私は、首の開いたシャツを着て、会場の演台の近くに座っている男性のところに連れて行かれました。
「ここに馬に轢かれ亡くなった女性がいますよ」と私は彼に言いました。
「彼女の名前は、エミリー・ワイルディング・デイヴィソンといいます。
彼女は会場にいる友人に、今夜現れます、と言っています」
男性はゆっくりと立ち上がり、咳払いをしました。
「その通りです」と彼は言いました。
「彼女は今夜通信すると私にも言ったのです。
エミリーは1913年にダービー馬の前に身を投げ、その怪我がもとで亡くなったサフラジェット《=婦人参政権論者》です。
彼女は霊的な存在として、私にはよく知られています」
と彼は言いました。
そして9年が経過し、私はあるパブリック・ミーティングで透視を実演していました。
私は聴衆の中のある男性に、ある兵士からのメッセージを伝えました。
「あなたのそばにいる女性は、今夜ここに同行してきたのですか?」と私は彼に尋ねました。
「そうです」と彼は言いました。
「彼女はいつしか婦人参政権運動にかかわっていましたね」と私は言いました。
その《男性の傍の同伴した》女性の方を向いて、私は言いました。
「さっきまでここにいた兵士は、あるサフラジェットと一緒でした。
彼女は今ここにいます。
彼女は、彼女が競馬場で亡くなるまで、あなたのことをよく知っていたそうです。
あなたにはあの世にお姉さんがいるそうですね。
彼女の名前はエミリーです。
彼女はこのメッセージをあなたに託しました。
『私は大義のために戦いました。
あなたたちのために戦ってください。
まだ成し遂げなければならないことがたくさんあります・・・』
と。
「今、彼女はデスパード夫人の名前を口にされたのですが、あなたはデスパード夫人をご存知ですか?」と私は尋ねました。
「彼女に伝言があります」
私は彼女に伝言を託しました。
彼女たちは、受取人はサフラジェット運動のヒロインで、現在95歳の闘志あふれるシャーロット・デスパードであることを告げました。
そしてエミリーは、その男性に感動のメッセージを送り、事件は幕を閉じたのです。
その男性が誰であったかを知ったのは、しばらく後のことでした。
彼の名前はハロルド・シャープ。
彼は霊媒師で、9年前にコナン・ドイルの追悼式で私が特別に選んだ男性だったのです。
(第12章 へ続きます)
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ここまでお読み下さり、本当にありがとうございました
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