ついさっきの話。
新宿近辺でご飯を食べて、さあ帰ろうというタイミングで猛烈な尿意に襲われました。
尿意が僕の首元にナイフを突きつけてきたのはもう店を発った後。
戻ることもできません。
自転車で移動しているので、トイレのためだけに駅の改札をくぐるのももったいない。
冷たい雨。
現れないトイレ。
膀胱はもってあと10分。
「たぶん漏らすんだろうなぁ。雨降ってるし別にいいか。」なんて考えが頭をよぎりました。
別にいいはずないのに。
どこかで僕を待ってるTOTOないしはINAXの陶器を探すために、最後の力を振り絞り歩いていると
「Excuse me??」と背後から。
ヨーロッパっぽいお兄さんが困った顔をしていました。
英語でまくしたてられるも、
KABUKICHOUとWhereだけは聞き取れました。
歌舞伎町までの道筋は分かっているのに、僕はそれを伝えられるだけの英語力を持ち合わせていません。
分かっているのに見捨てるのも違うので、歌舞伎町まで一緒に歩くことに。
僕の膀胱は「別にもういい」し。
決壊まで5分。
色々話してくれるお兄さん。
インド人らしい。
英語とドイツ語を喋れるらしい。
名はパロマさんというらしい。
もうどうでもよくなっていて、知ってる英単語を絞り出し、異文化コミュニケーションを楽しむことに集中していました。
そんな中、パロマさんを歌舞伎町のドンキホーテまで送る途中で目に飛び込んできた煌々と輝くゲームセンター。
決壊まであと2分
パロマさんをドンキホーテまで送り届け、ダッシュで滑り込んだゲームセンター。
セーフ。
清掃が行き届いていないトイレすら愛おしく思えました。
パロマさんと話しながら失禁するはずが、結果的にパロマさんが僕をトイレに導いてくれるなんて思ってもみませんでした。
良いこともしてみるものです。
そして自転車で帰宅。
漏らしても漏らさなくても関係ないくらいの大ずぶ濡れ。
パロマさんを送り届けるだけではなくて、買い物も手伝ってあげたら、濡れずに帰ってくることができたのかもしれません。
そこまでしていたら間違いなく決壊していましたが。