ソニンの人間大好き!-1

昨日無事に《ヘンリー六世》の千秋楽を迎えました。
8月から始った最初の本読みで朝10時に始まり夜の10時までやった時は、こんなに素晴らしく面白い作品になるとは正直想像できなかったし、こんなに勉強になる現場になるとは思っていなかった。
稽古場でも本番中も打ち上げでも、自分の能力、力、経験不足を感じ落ち込むばかりだった。
だけど、こんな贅沢な場所はありません。

昨夜3部通しが終わった時、このスケールの大きい大作に、全てをまとめ何から何までproduceした演出家鵜山さんを始め、全ての、美術照明音声演出メイク衣装製作事務所スタッフ方々、全キャスト、本当によくやったなぁとなんか感嘆したというか。そしてそれをたくさんのお客様がたが愛情を持って参加してくださったことを本当に光栄に思っています。(ちなみにやはり泣きも笑いもしましたべーっだ!)

新国立劇場のオペラ上演の演出にいらしているイギリスの演出家さんが、
『イギリスでもなかなかこの三部作の上演を観る事が出来ないのに、日本で観る事が出来るなんて!!』と大興奮してらっしゃいました。もちろん三部とも観られました。
『イギリスに帰ったらぜひ皆に話すよ』とおっしゃってました。

今回、三部作ということ、一度に三役をやること、リアルとはまた違うアプローチで実在人物を表現する事、遊びや余裕をもつこと、異性を演じる事、シェイクスピアのマジックを学ぶこと、本当に贅沢な勉強をさせて頂きました。

ヘンリー六世に関わった全ての皆様、お疲れさまでした、そしてありがとう。いつもl.o.v.eを感じていました。

みな次のステップへ旅立ったのが、ほんのりさみしく感じた今日でした。




さぁさ、スペシャルおまけ!きらきら
ずっとひかえていた、ソニンの三役写真!(劇場きたときのお楽しみにしたかったので)
私の各部の好きなシーンと共に紹介します

第一部:乙女ジャンヌ
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ほとんど甲冑でした。慣れるまで大変でしたし甲冑凝りもありましたが(笑)中身が見えない甲冑を着るという事がこの作品とっては大切なキーとなる隠れpointでした。贅沢なソニンオーダーメイドなのだよ♪

第一部の好きなシーン→出ている事が多いので自分のシーンから選ぶと、うーん迷うけど、《バーガンディ公を説得するシーン》かな。バーガンディ役の鈴木慎平さんとは台詞のやり取りはほぼないのだけれど、feelingの駆け引きがすごく楽しかったです。毎回違って、押したり引いたり攻めたり同情したり悲しんだり優しくしたり、と空気で会話してたあの時間は贅沢でした。


第二部:巫女、マージャリージャーデーン役

登場時
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終了後
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霊を降臨させるための儀式として顔におしろいと口紅を塗る設定なの(笑)シェイクスピアマニアのプロデューサーに、今までのヘンリー六世でこのシーンをこんな風にインパクトあるシーンにしたのは歴史史上初だよ!とおっしゃてました(笑)もう終わったので種明かしすると、このシーンに出て来る黒いマントかぶった助手(私の世話役&楽器、声マネしてました♪)がいたのですが、どなたがやってらっしゃたかわかった方いらっしゃいます?^^実はもともと脚本にもいない登場人物なのですが、呪術師役の金内さんが勝手にオファーして(笑)加わったのです。なんと、一部では私とバチバチ喧嘩(?)したルーシー役、二部三部ではクリフォード息子役をやった浅野雅博さんだったのです!

第二部好きなシーン→ラストです。ヨークが本性を表し、これから内乱・薔薇戦争が起きる、前ぶれのあの音楽と白い旗がファサーと落ちるラストシーン。カーテンコール準備している袖で毎回鳥肌ものでした。


第三部:皇太子エドワード

全身
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より。終演後だから髪ぼさぼさ汗
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とにかく、男の子役が初めてだったので、色々研究しました(笑)女と男のカラダや顔の仕組みの違いとか、立ち方歩き方座り方しぐさ。。。私は今回役を通して初めて経験したのが、男の子としての父親への想い。いやぁ、稽古で、お、こんなかんじなのかなぁ、男同士の親子愛ってて。あと母親へもね。マザコンてやつも体験しましたよ(笑)とってもいい体験でした。

第三部好きなシーン→ヘンリー王が宙から戦争を眺めて独白し、父親を殺した息子、息子を殺した父親が出てくるシーン。もうね、このシーンは稽古場の時から見入ちゃってて、本番も涙鼻水だらだらで観てます。また音楽がいいんだ!!!なんか《ヘンリー六世》の核のシーンかなって感じてました。その直後に父上を助けに来るシーンで皇太子は抱きつきますが、それも稽古場ででたアドリブからで、独白前のシーンでの父上への心配と独白シーンがそうさせたのです。