今日開催された業界内での交流飲みで特別ゲストとしていらっしゃっていた経営者から出たお言葉。
「素人だから細かいことは良くわからないけど、人材業界ってこれまで僕が見てきた数ある業界の中でも異質で、強烈な個性を持っている会社って1つもないよね。「みんなおんなじ」に見えるなあ」
人材採用をお願いしようと思いつく人材会社8社の営業マンを呼んだところ、皆一様に同じような契約の説明、同じような商品の説明、同じようなサービスの説明をしたのだそう。違いは営業マンのビジネスマンとしての能力差のみ。
僕ら業界内の人間は、当然のように自社の内情や競合会社のことをよくお勉強をしているから、
「あの会社はこの分野に強いよね」
「あの転職サイトはユーザ数では圧倒的でさ」
「このエージェントは報酬体系が特徴的だ」
「外資系といったらあの紹介会社かな」
といった風にいくらでも業界の勢力図を説明できたりしますが、
人材採用を考えている企業や、転職を考えている人々にとっては、実は「みんなおんなじ」に見えているのかもしれません。各社が自覚しているほど、差別化なんてできていやしないのかもしれません。
この方がおっしゃった、「みんなおんなじ」発言に落胆するのか?それとも好機ととらえるのか?
人々のはたらき方の多様化、ソーシャルメディアの台頭、人材・経営のグローバル化、新卒・中途採用の垣根撤廃の動き、就業構造の変化など、人材業界をとりまく目まぐるしい環境の変化により、今後数年のうちに企業の「人材採用」の手法・求められるサービスそのものが一変する、という論調までもあり、何も手を打たずに僕らが生き残ってご飯を食べていくことはできないことがかなり現実味を帯びてきているといえます。
これまでのような、業界大手や先進的な企業が画期的な商品を開発し、それを見たその他大勢のプレイヤーが後から一斉に真似て同じマーケットで熾烈な競争を繰り広げパイを奪い合うやり方では、お互いに疲弊し、消耗し、力尽きた者から続々と市場からの退出を余儀なくされることでしょう。なぜならマーケット規模は(海外に新たに目を向ける場合は別として)拡大どころか縮小することが予測されているからです。
ポジティブにとらえれば、「みんなおんなじ」 = 横一線 だということです。
僕らのような業界内ではまだ発展途上の企業が「みんなおんなじ」状態を変えられる
スタートラインにいられる。こんな刺激的なことはないんです。