憂鬱じゃなければ・・・ | ONもOFFもあらゆるものに興味を持つ欲張りな人のブログ

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ONもOFFもあらゆるものに興味を持つ欲張りな人のブログ-憂鬱じゃなければ、仕事じゃない

今、話題になっているこの本、もう読まれた方も多いのではないでしょうか。
幻冬舎社長の三城徹氏とサイバーエージェント社長の藤田晋氏の共著。正確には、藤田氏が「30代で最も影響を受けた人物」と尊敬する三城氏が仕事で成功するための35の言葉を挙げ、解説をし、それに対して藤田氏が自分の実体験を重ね、自分なりのとらえ方や考えを加える、というスタイル。

Amazonの書評などでは結構辛口な意見が多く、「自慢話ばかり」だとか「バイブルとは大げさ」とかが飛び交っているようですが、少なくともいくつかの言葉は当たり前とはいえ働いていくうえで改めて心に留めておこうと思わせるものでした。自慢っぽく聞こえなくもないですが、少なくともそれぞれの業界を代表する経営における成功者が実際にビジネスでの実体験を元に言葉にしたものなので、目を通して損はないと思います。35個の中でも読み手によって響くものは違ってくるのだと思います。個人的には以下3つが良かったです。

・憂鬱じゃなければ、仕事じゃない

本のタイトルにもなっていますね。朝起きて「会社に行くのが嫌だなあ」と思う時が誰でもあります。「新しく仕事を任されたけど何から手つければいいかわからんぞ」「色々な人と調整が必要なあの面倒な仕事が終わってない」「数字の進捗がおもわしくない、どうしよう」「取引先に謝らなければならないけど困ったな」etc. だいたいそんな理由でしょうか。こういう憂鬱な物事は仕事にはつきもの。あって当然。憂鬱な問題を解決するためには、真剣に考えたり、調べ物をしたり、周りに相談したり、協力を仰いだり、交渉をする必要が出てきます。これが成長につながります。逆に憂鬱なことが1つもない状態は、危険信号。楽な仕事ばかりで自分の成長につながらない、達成感もない。やがて、ある日突然、「無力感、虚無感」という、本当の意味での「憂鬱」が訪れてからでは遅いんだと思いました。こう考えると、目の前の面倒な仕事なんて大したことないな、と気持ちが楽になりませんか?

・スムーズに進んだ仕事は疑え

何の苦労もせず、思いのほかスムーズに仕事が進む時があります。数字の調子もいい感じ。「ついに僕に天が味方しているんだ!今までがんばってきたし!」と手放しで喜んではいけません。そこには大きな落とし穴があるのかもしれないのです。自分がこなしている仕事の質は、本当に期待値を超えているのか?他にできることはないのか?順調に進んでいるように見えるだけで、何か抜け漏れはないのか?こういう意識が大切なんだということです。藤田氏は本著の中で大好きな将棋の羽生善治名人の言葉を紹介しています。油断や慢心から来る失敗を何度も経験している羽生名人だからこそ、こういった言葉が出てくるのだと思います。

「もし、考えている通りの進行・局面になったとするなら、その時こそ要注意です。相手が自分の上を行く手を用意していることも多いからです。それゆえ、10手先の手を明確に読むのは、非常に難しいのです。」(『結果を出し続けるために』より)

・ピカソのキュビズム、ランボーの武器商人

見ただけでは何のことだかわからないですね。ピカソは言わずと知れた有名画家。ただあの常人離れした作品で開花する前は、写真と見間違えるような精緻なデッサンを無数に描いていたのでした。また、天才詩人ランボー(初めて知りました・・・)は、十代にして文学史を塗り替える程の傑作を残したのですが、初期には美しい叙情詩を沢山書いていました。そして二十代になると全てを捨ててアフリカに渡り、一転、武器商人に。

この言葉は、「スタンダードを極めた人間にしか、目を見張るような成功はできないし、新しい物事を起こすことはできない」ということを物語っています。基礎を徹底的にこなすことで初めて見えてくるものがあり、それがベースになって能力や技術が洗練され、将来的な成功につながる。基礎をおろそかにし、量をこなさずに質を追求したりいきなり斬新なアイデアで成功できない、ということです。

他にも良いのがいくつかあったのですがここでは紹介しきれないので、ぜひ読んでみてください。