
新卒でモルガン・スタンレー証券に入社、幼い頃からの夢であったスポーツビジネスへの憧れから常人離れした努力の結果、三木谷氏に直談判の末、楽天イーグルス


一見、順風満帆なキャリアに見えますが、実は本著でもかなりのページ数を割いて描かれているように、金融界からスポーツビジネスへの挑戦は全くのゼロからのスタート。メジャーリーグ全30球団のGMへの手紙や日本人選手を抱えるエージェント事務所への片っ端からのアポなし訪問もすぐには結果が出ず、都内のフットサルコートの管理人をして食いつなぐ辛い日々も。
それでも挫けなかったのは、将来はメジャーリーグの球団のオーナーになりたいという夢があり、それに向けて1000個以上の「やりたいこと」を書き出して整理し、揺るぎない「軸」を作ることができていたから。
この「やりたいこと」リストは、彼がモルガン・スタンレー在職時に社長から「自分の欲に素直になることの大切さ」とともに教わったもの。ほんの小さなもの含めて1000個以上のやりたいことを書き出してみると、3つ位の柱に収斂されてくる。著者の場合は、「スポーツが好き」「人が好き」「商売が好き」にまつわるものだったそうです。
そして、「行動する、トライすることは、たとえそれが失敗に終わったとしても、リスクでも何でもない」という考えのもと、これまでのような輝かしい成功を収めています。「やりたいことリスト」実際に書き出してみると今まで見えなかった自分を発見できるかもしれません。
ちなみに、南氏は楽天を辞めた後、自身のキャリアの可能性を探るために1ヶ月で27人ものヘッドハンターに会い情報収集をし、さらにビズリーチ創業前には人材業界のキープレイヤーに次々と面会、大勢の知人等にアンケートを実施するなどとにかく愚直な「行動」をされたことも紹介されています。
同じ人材業界にいる人間として、情報収集にしても事業の作戦を立てるにしても、自分で限界を決めてしまっていないのか?、本当に他にできることはないのだろうか?、と自問させられ、そして刺激を受ける機会になりました!
