思い出~良かった時も、悪かった時も[No.320] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ

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小学校の卒業時にクラスのみんなで一言づつこれからの抱負を寄せ書きとして色紙に書くことになった。僕は「思い出」と書いた。思い出をこの先も大切にしていきたい、そんな思いで書いた言葉だ。それを父に見せたところ「皆は将来のことを書いてるのに、なぜ、お前は過去なんだ?」と叱られた。一見、まともな指摘だったが、その当時は納得のいかない思いで一杯だった。

 

両親が亡くなっていくらか経った今、家族の過去を振り返ると、良かったこと、悪かったこと、そんなことの数々が頭の奥から引っ張りだされる。不思議なことだけれども、当時は親に対して納得いかなかったことが今は、あの状況なら仕方なかったよな、とか自分のことを思ってくれてて、でもその時の自分の価値観とは符合しなかったからぶつかっちゃたんだよな、とか理解できることが少なくない。今でもどうしようもないな・・・と思うこともあるけれど。

 

 

人間関係にについても似たように過去と今では違った考えを持っている。若い頃は何て人は身勝手で冷たいんだ?と思い込んでいた時期がある。このような思いが強くなりすぎると、何でも他者の責任にするクレーマーになりかねない。みんな自分のことで精一杯だ。青春映画のようにみんなで助け合って、でも時には衝突して、最終的に乗り越えて、みんな揃ってハッピーエンド、なんてなかなか難しくて、競争に敗れて仕方なく、ほどほどのところで何とか持ちこたえている人も少なくない、それが現実ではないだろうか?資本主義を選択している以上、ある程度、仕方のないことだ。

 

資本主義の欠点は、幸運を不平等に分配してしまうことだ。社会主義の長所は、不幸を平等に分配することだ。

チャーチル

 

そんなだから、必要以上に他者による、やさしさに期待しないようにしている。期待は大きいほど、それが実現しない場合の落胆も大きくなる。基本的、最終的には自分で何とかするしかなくて、でも困った時には必要最小限の救いを他者に求める、それでもダメなら仕方ない、そんな感覚を過去の経験や思いを通じて、今の自分は持っている。

 

冒頭の父の言葉ではないが、いつまでも、過去を引きづっていては前に進む際の足かせになる。でも過去の懐かしさ、くやしさ、悲しさが今後へのヒントやエネルギーにつながることもある。過去に縛られてはいけないけれど、うまくそれを燃やして前に進めたらと思う。

 

我々はいつも恋人を持っている。彼女の名前はノスタルジーだ。

ヘミングウェイ

 

Led Zeppelin:Good Times Bad Times