フェイク ~ 洗脳[No.319] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ

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 人とテキストメッセージを介してスムーズに会話が可能なAI(人工知能)であるChatGPTの話題を耳にしない日が続いている。このようなAIを上手く活用することで、今後、少子高齢化による生産年齢人口の減少が確実視され日本の国力衰退が懸念されている中、労働生産性向上による国力維持の切り札としての期待がある一方、著作権やプライバシーの侵害、差別の助長、情報漏洩といったリスクを指摘する声も少なくない。さらに、人々を混乱させるようなインチキ(フェイク)を作り出すのもとびっきりの腕前である。気をつけていないと、思わされてしまう。今回は、このようなフェイクについて書いていきたい。

 

 

 つい先日、AIによって生成されたアメリカ前大統領が逮捕されているディープフェイク(偽の)画像が話題となった。ちょうど彼が不正な会計処理をめぐり捜査を受けているところだったこともあり、よりリアル感が増した。このように標的の評判を落とすことで、選挙や戦争、はたまた企業間競争などにおいて、AIは自分に有利に事を運ぶための狡い武器になり得る。

 

 従業員の人権を軽視する通称「ブラック企業」と呼ばれる企業では、外部から見ると随分と酷い文化が、内部では当然として受け止められている。是正の声を挙げようものなら、面倒臭いヤツとして煙たがられるのがオチだ。同調圧力。だから大人しく合わせておくにこしたことはない。そのうち適応して何も感じなくなる。慣れは時として危ない。

 

人間はなにごとにも慣れる存在だ

ホロコーストを生き延びた心理学者:V・E・フランクル

 

 大手芸能事務所の創業者による不祥事がこのところ大きなニュースになっている。過去にも同様の騒ぎが起きたが、当時のテレビ各局はダンマリを決め込んだ。数多くのスターを抱え圧倒的な影響力を誇る事務所が不利益を被るような内容の報道に対する事務所からの制裁によって、下手すると所属タレントを番組で起用できなくなってしまう。そうなると視聴率がとれない。だから儲からない。そんなリスクを回避した結果だ。こうしたテレビ各局の日和見な姿勢に批判の声が上がった。常にニュースは公正、公平であるとは限らない、時として大人の事情が優先されることもある。

 

 自分が、とても不甲斐ない人間に思えてしまうことがある。成果に乏しい時間が長く続いている場合は特に。そんな自分の自分に対するフェイクを吹き飛ばす為に自分に言い聞かせる、そんなに凄いわけではないけれど、そんなに酷くもない、と。

 

 以上のように身の回りにはフェイクがゴロゴロしている。そのような中で大切なのは疑う力だと思う。5回のなぜ?で改善を実現してきたトヨタ自動車みたいに。ChatGPTは平気で自信満々に間違える。つまり、それっぽいことを言い切る力が半端ではない。そんな頼もしくも怪しげな彼の意見(下書き)の70%を受け入れ、30%を自ら補うことで仕事の、はたまた人生の生産性を上げていけたら素敵だ。

 

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