グラデーション ~ 51:49[No.315] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ

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賛成でもない反対でもない、どちらかというと、まっ賛成かな、でも・・・な観点も考慮すると反対・・・でもある。そんな思いに陥ることが少なくない。2つの選択があったとして片方が100%正しく、もう片方が全然ダメダメな考え方が支配的な組織に所属していると居心地の悪さを感じてしまう。選ばれなかったダメダメな方ばかりではなく、どちらでもない中間もあるのでは?の主張も許されず、下手すると無能扱いされてしまう。このような画一性への強要が新興宗教の問題や企業の不祥事の根底にあるように思う。

あなたは、まさか・・・な人ではないですよね?レッテル貼り。時にはそうだし、時にはそうではない。貼られたレッテルなんて剥がしてしまえばいいし、無視して構わないと思う。同じように人の過去を遡って矛盾を指摘するようなのも非常に残念だ。人は変わるし、置かれている状況次第で判断は異なる場合もある。可能な限り、その時、その状況下における自分の信じる正しさを貫く意識を持っていたい。時にはそうだし、時にはそうではない。

 

誰でもいいから連れてくれば、私がその人物の罪を必ず探し出す。

独裁者スターリンの下で秘密警察のトップを務めたベリヤ

 

どちらかに選択を強いられたり、いつもこうであるべきと強制されると辛い場合がある。中間を意識することで凄く楽になる。皆んなと仲良くしなくてもいいし、いつも神のようにキチンとしてなくてもいい、売れっ子芸人のように状況に応じたオモシロいことを常に言えなくてもいい。時には失敗するし、何もしたくない、出来ない時もある。そういう成果の出ない時を経て、いつの日か、その時を振り返って、それを良い方向に振り向けるためのヒントとして活用すればいい。

 

疲れたら休むがよい。彼らもそう遠くへは行くまい。

ツルゲーネフ

 

何もしない、をする。

映画「くまのプーさん」

 

肉体的には男性でも気持ちは女性、もしくはその中間といった性的マイノリティ、LGBTの問題が最近、テレビや新聞で取り上げられることが多い。肉体的に同じ性のカップルの結婚が法律的にも認められないために、税金や保険、相続といったお金に関係するところから、公衆トイレ、就職、医療など、日々の様々な生活の場面で不利益、不都合が科せられている。10%前後の方がこのような性質を持っていると言われている中、「マイノリティ」という表現は不適切でノーマルとして捉えるべき課題だと思う。

 

原発停止やインフレ、ロシアのウクライナ侵攻によってエネルギー不足の懸念が高まっている。そんな中、少し前の地球温暖化防止のための二酸化炭素排出ゼロの機運が一気に萎んだ。生活が一番、凍えてしまうのを覚悟で排出ゼロ!なんて言っていられない。しかし中長期の観点において温暖化への対策は避けて通れない。だから今すぐの排出ゼロといった過激ではない現状は必要最低限の化石燃料を利用しつつ、過度に生活への犠牲を強いることのないさじ加減によって徐々にその利用を減らし可能な限り早期に排出ゼロに至らせる51:49の選択が求められる。

 

白黒をつけて、片方を絶対視し、もう片方を嘲笑するのは、とても簡単だ。さらに周りの多くに合わせていれば調和が図られる。でも仕方なく同調するにしても、心の中では密かに、こういうバランスの取り方もあるのに、と考えておいて、自分の我慢を超えた場合、勇気を持って主張するべきだと思う。それでも受け入れられない場合、その場を去って自分の正しさを守ればいい、そんなふうに思う。

 

俺たちは生きる時代は選べないが、どう生きるかは選べる

映画「ミュンヘン:戦火燃ゆる前に」

 

自らの意見の大切さを歌うビーチボーイズ