文章長すぎ!って方は赤字部分だけお読みください。
ーーーーーーーーーーーー
定量とは数字で表す具体的な表現で、定性は数字で表さない抽象的な表現である。例えば進捗確認にて「8/10のお昼までには終わります」は定量的、「もう少しで終わります」は定性的な表現ということになる。後者のような表現をされると、下手すると毎日、挨拶代わりのように「もう少し」とか言われてしまったりする。だから定量的な報告を求めることで「蕎麦屋の出前」状態から抜け出すことが出来る。どちらかというと僕はこれまで定量的な方が現実感が増し、相手の感心を引き寄せることも可能になるため、定量的表現を心がけてきた。でも最近、必ずしもそうかな?と思うこともあり今回、取り上げてみた。
製品の性能を数値化してアピールしてしまうとライバルが目標として掲げやすくなり、競争が激しくなってしまったりする。例えばデジカメの画素数を「世界初2000万画素」とか謳ってしまうとライバルは目標2100万画素、頑張るぞ!みたいなことでロックオンし妙にハッスル出来てしまう。その一方、アップル製品に見られるようなシンプルで洗練されたデザインで勝負ってことになるとライバル企業は焦点を定めにくくなるから、数字の上での血みどろの戦いに陥らずに済む。かつて豪速球でならしたピッチャーが衰えと共にスピードガン測定を捨て、バッターとの駆け引き、間合いでの勝負に価値を見い出していくように。
40歳過ぎると誕生日を迎えるのは決して嬉しいことではない。好意を寄せる女性との素敵な日曜日の午後が徐々に終わろうとしている時に感じる寂しさみたいに。そんな40歳を過ぎて若い頃のヤンチャな気持ちは成熟に変わり歳相応に落ち着きを払っている人もいれば、まだまだ若い人たちには負けない、もう一発花火打ち上げるぞ!って人もいる。人それぞれ年齢という数字では推し量れないライフスタイルという定性に基づいたカテゴライズ。人生の折り返し地点を過ぎ、安定を増す人もいれば、ミドルスパートをかける人もいたりで十人十色である。
最近、大量のデータを解析して傾向を掴んでマーケティングに活用する動きが活発で、猫も杓子もビックデータ(※)状態だ。でもそれは過去に基づいた分析に過ぎず、過去になかったものを産み出すには何の役にも立たないといった意見もある。POSデータをマーケティングで初めて使ったセブンイレブンの社長も数値は単なる結果で、仮説を検証するための道具にすぎない。だから大きな変化を創りだすには向いていない、みたいなことを述べていた。
過去にこだわってはいけないことを歌ったOasis - Don't Look Back in Anger
定量的な目標を設定するには比較の対象が必要で、その対象がいつも有効であるとは限らない。ただ定量的な目標はターゲットを明確にすることによるモチベーションの源としては手っ取り早く便利だ。暗い海を航行する船にとっての岬の灯台みたいに。その一方で定性的な目標を設定することで、過去に縛られない新しい発想に基づいた挑戦が可能になる。それでは一体、定量と定性どちらがいいんだ!?僕はどちらというわけではなく相互に補完するバランスみたいなことだと思っている。定量化に偏ってしまって何か視野が狭いな、発展性に乏しいなって時は定性的に考えてみる、逆に定性的に考えてみて何か雲を掴むようでワケわかんないなって時は定量化、つまり数値化してみて現実味を増してみるといった具合に。ケースバイケースで左右のスピーカのバランスを調整して程良い音を鳴らしたらいい、そんなふうに思う。
僕はラーメン二郎の食べ過ぎか分からないけど、このところ太り気味で、その結果は数値に如実に現れている。ただ、幸いなことに顔にはそれ程現れていない。だからLAの黒人ファッションみたいな、ゆったりした洋服を着ることで、ある程度のごまかしが効く。「太ったみたいだ」って言っても、「そう?」で済む。もし「1年で10kg太った」とか言ったら否が応でも他人の目線は変わってくる。やはり僕にとっては定量よりも定性の方が何かと使い勝手がいい。
※)ビッグデータとはコンピュータの性能が飛躍的に向上したことで解析が可能になった大容量データのこと。Facebook、TwitterなどのSNSの投稿データ、社会のいたるところにセンサーを埋め込んで収集されるデータ等を分析し、意味を見出して利用する動きが活発になっている。
何かお感じになられましたら押してくれると嬉しいです!前に進むエネルギーになりますので。