リアルオプション〜今決められないなら後で考えたらいい[No.111] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ
文章長すぎ!って方は赤字部分だけお読みください。
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リアルオプションとはこれからどうなるか分からない状態で無理に決めなくても、放っておいて状況が明らかになってから決めたほうがいいでしょってこと。

決めなければいけないことがあると、決断力っていう言葉のプレッシャーにより、すぐにでも決めないと!って、ついつい気合が入ってしまう。決めるとスッキリするし決めないと何か心に引っかかって気持ち悪い。だから先走って決めてしまう。エイヤッて。

それはそれで潔くて気持ちいいけど、先延ばししておいて、周囲の状況が明らかになってから決めたほうが、適切な判断ができる場合もある。暗くなりかけた夕方に草むらの中に放り込んでしまった野球ボールは翌日の朝を待って探したほうが効果的であるように。

例えば洋服を作る場合、かつては、どんな服が、どれだけ売れるのか?って計画を早めに立てて、それに従って一気に作っていたけど、洋服の好みは流行や人の感性に大きく左右されるからズレたものを作ってしまった場合、大量に売れ残ってしまうことになる。そういった事態を回避するために発売に近い流行がより鮮明にその姿を現すギリギリのタイミングで流行にかなった控えめの量を作って、発売後に売れ行きを見て、足りない場合は追加で作るみたいな考え方があるそうだ。

コストは一気に作る場合よりもかかるけれど、お客さんから見向きもされないデザイン、見当違いの売上見込によって大量に売れ残ってしまうリスクを鑑みると素敵な考え方になる。

結婚も、突然、炎のごとく燃え上がった感情の勢いで決断してしまうと成田離婚(死語か)みたいなことになってしまう。そうならないためにも一定期間の同棲を経た後に結婚の判断を!みたいなことが一時、言われていた。ホント、その通りだと思う(コウノトリが運んでこないよう注意が必要だけど)。半年くらい一つ屋根の下にいないと、どうしても分からないことってある。システム構築での実際に作り始める前の仕様確認の現場において設計書に書かれていることをいくら説明されても、実物を見てみないことには分からないことが多いように。

そんなわけで、僕は人生の大きな目標はあるけれど、それを実現するための実際の手段については、あまり長い先のことまで厳密に決めてしまわなくても良いと思っている。状況の変化に応じて柔軟に修正していけばいいって。風にそよぐ柳の葉みたいに。気合い入れて作った人生の設計図はすぐに無駄になり混乱することになる。「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいなことによって思いもよらない方向に展開していくことが少なくないから。大きな方向感さえ失わなければいい。


Tomorrow Never Knows(ビートルズ)

僕の今は生きていないおじいちゃんは、すぐにモノを無くしてしまう人だった。そんなおじいちゃんの口癖は「そのうち出てくる」で真剣に探すことをすぐにやめてしまう。でも不思議なことにいいタイミングで出てくることが多かった。畑を耕していた田舎のおじいちゃんがリアルオプションって言葉を知っていたかどうかは分からない。

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