ソフトパワー[No.77] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ
かつての突出した経済力、軍事力(ハードパワー)を誇っていたアメリカの影響力が小さくなり、文化や正義(胡散臭く聞こるかもしれないけれど、万人に理解される普遍の正しさ)といったもの(ソフトパワー)の重要性が増しているらしい。

個人でも似たようなことが日本では起きていて終身雇用といった保障の引き換えに会社に奉仕した結果である賃金の過多をプライドとして満足するといった人は減ってきている気がする。もう、どんなに頑張っても皆で右肩上がりの成果を甘受しつづけることは、新興国が持つ本来の力を発揮し始めた今となっては、難しいだろうから。

第二次世界大戦の戦勝国がウサギとカメのウサギのようにウカウカしていて、新興国がシンデレラのように自分本来の可能性に気づいていなかったという間隙をついた日本の成功は終わりつつある。

さらにある程度モノが不足することなく揃っていて、そこそこの生活が出来ている現状にあってハングリーになれないのも仕方ない。というかストイックな物質的豊かさの追求の先に桃源郷があったわけではないってシラケた思いを感じている人は少なくないと思う。

そんな今だから、お金以外の目的を持った労働、家族との微笑ましさ、音楽・絵画など芸術や文学への造詣といったものの重要性が増していくと思う。こういった一見、お金に縁のないことによる人としての魅力が結果としてはお金を稼ぐための競争力になる気がする。グローバルな競争社会においてコモディティとして買い叩かれないためにも。

妻の不機嫌な時はソフトクリームとか甘いモノをプレゼントすると平和が訪れる。ソフトパワーは万能だ。ただし、ソフトクリームはタダで買えるわけではない。