トイレの度に「あっ、ちょっとすいません。」と、隣の席で気持ち良さそうに眠っている、見ず知らずの他人を起こすのは気が引けるので、通路側の席を指定した。お腹が弱いとか、オシッコが近い訳じゃない。寧ろ、その辺は我慢強い方だと自負している。特に大の方は、3、4日我慢するのが日常である。
密閉型イヤフォンを耳に突っ込み、微かな音量でお気に入りの音楽を流し、ジェットエンジンの轟音と離陸時のGを感じる前に眠りについた。
周りの乗客は僕を指して「この人慣れてるな~。」と思ったに違いない。それを狙っての行動だ。
食いしん坊の嗅覚がご馳走の仄かな香りを嗅ぎつけて目が覚めた。
目の前に出されたのは、ご馳走とは程遠く、僕からしたらコンビニ弁当より魅力の無い物だった。機内食が不評なのは搭乗前からわかっていたので、羽田の免税店でお菓子を買っておいた。
いざとなったら…。
そんな目論みは的を得てなかったようで、結局、機内食に満足し食後のコーヒーまで楽しませてもらった。
着陸まで、まだまだ時間はたっぷりだ。
興味のない映画を観たり、聴き飽きたお気に入りの音楽を聴いたり、絶対に誰にもバレないリアルな寝たフリしてみたり、更には、ひたすら頭の中でテトリスをするとういう、全く生産性のない、暇潰しに没頭していた。
やがて、機体は着陸態勢に入りシートベルトを強制するアナウンスが流れた。それは、中東行きの路線だけに、もしかするとテロリストが紛れ込んでいて、この機体をハイジャックするかもしれない、が、無駄な心配だったと感じた瞬間でもある。
間もなくして、僕らを乗せたQR813便はハマド国際空港に降り立った。
カタールの生温い風と何とも比喩し辛い独特の匂いが、異国に来た事を実感せてくれた。
28cmの靴に収まりきらない程、パンパンに浮腫んだ足が、11時間半のエコノミーフライトの過酷さを物語っていた。
飛行機の出発時間は00:30。まだ3時間近くある。暇潰しに空港内を散策するには荷物が邪魔なのでさっさと搭乗手続き済ませて預けたい。脇目も振らずにカタール航空のチェックインカウンターに向かった。
僕らの前に10組ぐらい並んでたけど、意外とあっさり順番は回ってきてチェックイン完了。本当の意味で肩の荷が下りた。
ミッキーがトイレに行くと言うので、僕は間接照明でムーディーに演出された喫煙所にてタバコを吹かした。
見事、軽量化に成功した2人。話題は何か食べるべきではないかと。レストラン街を2周程彷徨った挙句、吉野家の丼ぶりに噛り付く事になった。悔いの残らないようにと大盛りを注文。いや、考えてみたら普段から大盛りだ。
胃袋を満たし、このままゆっくりしたかったけどファストフードの回転率の重要性を知っているので、そそくさと店を出て空港散策に繰り出す。
しかし、殆どのお店は既に閉店時間を迎えていた。
行き場のない僕らは展望デッキで飛行機を見ている。雨は上がっていたけど蒸し暑かった。
だんだんと別れの時が近づくにつれ、2人とも言葉数が減っていった。
それはやがて沈黙となり、僕は飛行機に興味があるフリをしながら会話の糸口を探っている雰囲気だけ出していた。
するとミッキーが突然、意を決した声で
「よっつん!よっつんが帰って来るまで待ってても良い?」
どう返答しようか迷ったけど
「それはやめよう。いつ帰って来るかもわからないしさ。」
正直言うと、これ以上、荷物は増やしたくない。身軽に動き回りたいもん。だってほら、待たせたらお土産も買って帰らないとだし…。
終電に乗る為、帰って行くミッキーは少し元気なさそうに見えた。
「じゃあね、ミッキー!気を付けてー!元気でねー!」
あれ?なんか逆だよな?って思いながらも、肩は軽くなってたので精一杯、手を振って見送った。
僕らの前に10組ぐらい並んでたけど、意外とあっさり順番は回ってきてチェックイン完了。本当の意味で肩の荷が下りた。
ミッキーがトイレに行くと言うので、僕は間接照明でムーディーに演出された喫煙所にてタバコを吹かした。
見事、軽量化に成功した2人。話題は何か食べるべきではないかと。レストラン街を2周程彷徨った挙句、吉野家の丼ぶりに噛り付く事になった。悔いの残らないようにと大盛りを注文。いや、考えてみたら普段から大盛りだ。
胃袋を満たし、このままゆっくりしたかったけどファストフードの回転率の重要性を知っているので、そそくさと店を出て空港散策に繰り出す。
しかし、殆どのお店は既に閉店時間を迎えていた。
行き場のない僕らは展望デッキで飛行機を見ている。雨は上がっていたけど蒸し暑かった。
だんだんと別れの時が近づくにつれ、2人とも言葉数が減っていった。
それはやがて沈黙となり、僕は飛行機に興味があるフリをしながら会話の糸口を探っている雰囲気だけ出していた。
するとミッキーが突然、意を決した声で
「よっつん!よっつんが帰って来るまで待ってても良い?」
どう返答しようか迷ったけど
「それはやめよう。いつ帰って来るかもわからないしさ。」
正直言うと、これ以上、荷物は増やしたくない。身軽に動き回りたいもん。だってほら、待たせたらお土産も買って帰らないとだし…。
終電に乗る為、帰って行くミッキーは少し元気なさそうに見えた。
「じゃあね、ミッキー!気を付けてー!元気でねー!」
あれ?なんか逆だよな?って思いながらも、肩は軽くなってたので精一杯、手を振って見送った。
夜の7時に東京方面へ向かう人は少ない。
電車の中はガランとしていた。座る事も可能だけど僕は車輌の端っこを陣取り、大宮駅に到着するまでの30分間、好き勝手に転がろうとするスーツケースを壁に押し付けながら立っていた。
この大荷物が今回の旅の最初の失敗だと思い始めた頃、最初の目的地、大宮駅に到着した。
ここで、空港まで見送ってくれるという心優しい友人と待ち合わせ。
「おーい、ミッキー!」
「あっ、よっつん!元気?いよいよだねー。っていうか、荷物多くない?」
「うん、アレもコレもって詰め込んだらこうなっちゃったんだよ…。」
「確かに心配になるよねー、色々と。とにかく、何かあったら無理しないで帰ってきなよ。」
その言葉通り行動するなら、今すぐ帰って荷物減すよ。って言いかけたけど、
「うん。そうする。」
って嘘ついた。
間もなくして事前に予約しておいた羽田空港行きのバスが到着。僕らはさっさと乗り込んで仲良く並んで座った。
首都高を快適に走る バスの雨粒滲む車窓から、きっと暫く戻る事のないだろう日本の風景を目に焼き付けたくなって、ずっと外を眺めていた。ミッキーの話になんとなく相槌を打ちながら。
電力不足なんて知らんぷりみたいな東京の煌びやかさが更に例の窓に反射して、まるでディズニーランドのアトラクションみたいだなって。
バスに酔ったのか、それとも自分に酔ったのか。羽田国際線ターミナルに到着した時、ほんの少し吐き気がした。
電車の中はガランとしていた。座る事も可能だけど僕は車輌の端っこを陣取り、大宮駅に到着するまでの30分間、好き勝手に転がろうとするスーツケースを壁に押し付けながら立っていた。
この大荷物が今回の旅の最初の失敗だと思い始めた頃、最初の目的地、大宮駅に到着した。
ここで、空港まで見送ってくれるという心優しい友人と待ち合わせ。
「おーい、ミッキー!」
「あっ、よっつん!元気?いよいよだねー。っていうか、荷物多くない?」
「うん、アレもコレもって詰め込んだらこうなっちゃったんだよ…。」
「確かに心配になるよねー、色々と。とにかく、何かあったら無理しないで帰ってきなよ。」
その言葉通り行動するなら、今すぐ帰って荷物減すよ。って言いかけたけど、
「うん。そうする。」
って嘘ついた。
間もなくして事前に予約しておいた羽田空港行きのバスが到着。僕らはさっさと乗り込んで仲良く並んで座った。
首都高を快適に走る バスの雨粒滲む車窓から、きっと暫く戻る事のないだろう日本の風景を目に焼き付けたくなって、ずっと外を眺めていた。ミッキーの話になんとなく相槌を打ちながら。
電力不足なんて知らんぷりみたいな東京の煌びやかさが更に例の窓に反射して、まるでディズニーランドのアトラクションみたいだなって。
バスに酔ったのか、それとも自分に酔ったのか。羽田国際線ターミナルに到着した時、ほんの少し吐き気がした。
50Lのバックパックと40Lのサブバッグ、それに割と大きめのスーツケース。これでバックパッカーやってます!だなんて。
理想は背中にバックパック1つ。それに寝袋括り付けてっていうのがスタイリッシュで素敵だなと思うんだけど。
現実はというと、この大荷物。どう考えてもカッコ良くない。その上、徒歩20分の最寄り駅まで歩くのもしんどいから「お母さーん、駅まで送ってー。」だよ。
そんな感じで、バックパッカーやってます!
33歳の夏。天候は雨。もちろん雨天決行。
駅でお母さんに 別れを告げて僕は電車に乗った。
理想は背中にバックパック1つ。それに寝袋括り付けてっていうのがスタイリッシュで素敵だなと思うんだけど。
現実はというと、この大荷物。どう考えてもカッコ良くない。その上、徒歩20分の最寄り駅まで歩くのもしんどいから「お母さーん、駅まで送ってー。」だよ。
そんな感じで、バックパッカーやってます!
33歳の夏。天候は雨。もちろん雨天決行。
駅でお母さんに 別れを告げて僕は電車に乗った。
旅の途中ではありますが、ブログでも綴ろうかと思います。
きっとそのうち飽きるでしょう。
その日まで。
きっとそのうち飽きるでしょう。
その日まで。
