春風があたたかい風を運び、窓を開けるとマフラーに穴でも空けたのか、古びた冷蔵庫が雄たけびの如し喚き声をあげる以上に不愉快な二輪車の音が我が家に紛れ込む。

 

不在着信に気が付くと同時に、その末尾が[0110]で終わる番号に、警察署からのものであることを察する。

 

はて、何をした。さて、折り返すべきか。うん、意を決して折り返す。

 

「盗難届が出ている自転車が見つかったから取りに来い」曜日の選択肢も無く、指定時刻を警察官は告げた。

 

成人しているのにも関わらず、母ちゃんに買ってもらい

 

ザ・ハイロウズやMANNISH BOYS、斉藤和義のお気に入りのステッカーをここだ、と決めては貼ったお気に入りの自転車だった。

 

5年の月を経て心を驚かせながら、また風を切って走る事を想像しながら、再開の場へ向かった。

 

犯人も、淡々とその無残な姿にとなった自転車を私に渡すやいなや早々と庁舎に消えていくポリスマンも、許されざる者だ。

卒業ソングといえば

「エモい」なんて感覚は一切ピンとこず、「エロい」か「キモイい」しか分からないし、分かろうともしていなかったが

 

不愉快な音をばら撒き走る昭和の音声には、これこそが、ああエモーショナル。

 

自転車を盗んだ犯人と、盗んだバイクで走り出した尾崎に告ぐ。

 

卒業ソングといえばと掲題の曲を掲げる投稿を見た。

 

HAPPY MONEKY RECORDSの店主による、異訳はフルバージョンでどうぞ。

 

 

 

 

被害者の目線で異訳する[15の夜/尾崎豊]

 

ああ今日も疲れたな 良いこともあったからか 星が綺麗に見える

手土産はないけれど もうすぐ君と会える

 

やり場のない気持ちを 飲み込んだ事もあったなあ

風俗店の裏で 野良猫が 今日もゴミ箱を漁る

 

しゃがんで かたまり 背を向ける おい

なんでここの自転車置き場に おれのがない

おいの野良猫たちよ どこかでだれか見なかったかい

とにかくもう 君とあたたかい 味噌汁が食べたい

自分の存在証明を 都合よく侵して 犯されたことがことがあるのかい 

 

盗んだバイクで 何 思う 

お気に入り ステッカー 暗い夜のとばり 走ったな

そういえば錆びていたチェーン 油 刺してやれなかかったけど

自由になれた気がしただと 履き違えてるな おい

 

盗んだバイクを おれに渡す 警察官 

お気に入り ステッカー 暗い夜のとばり 走ったんだ

穴の開いた タイヤ 錆びついたボディー 剝がされたステッカー

 

風俗店の裏で 野良猫が 今日もゴミ箱を漁る

 

 

 

 

 

 

※感情的な異訳なので・・・

 

ブルーススプリングスティーンで

 

明日なき暴走を!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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