誤解しないでほしい。

「求めない」と言ったって、どうしても人間は「求める存在」なんだ。

それはよく承知の上での「求めない」なんだ。

五欲を去れだの煩脳を捨てろのだとあんなこと嘘っぱちだ。誰にもできない事だ。

「自分全体」の求めることは、とても大切だ。

ところが、「頭」だけで求めると、求めすぎる。

「体」が求めることを「頭」を押しのけて別のものを求めるんだ。

しまいに余計なものまで求めるんだ。

じつはそれだけのことなんです。

ぼくが「求めない」というのは、求めないですむことは求めないっていうことなんだ。

ひとはなにも求めないことなんてありえない。

ひとはいつも、求めている。

いつも求めてやまなぬ存在だ。


花は虫に交配を求める。

虫は花に蜜を求める。

花と虫はお互いに求めあうことで

お互いを生かしている

それは片方がだが「求める」ことじゃないんだ。

子が母の乳房を求めるとき

母も子に乳を飲むように求める

それは片方が「求める」ことじゃあない

互いに生かすことなんだ。

共存とは・・・

「求めあう」ことじゃなくて

お互いに「与えあう」ことなんだ

片方だけが求めるとき

相手を傷める。

奪うからだ。

生物はお互いを生かすように求めあうことで

生き延び

進化してきたんだ。

それが止んだとき

人類は滅びに向かうかもね。



*著書「求めない」より一部抜粋