1931年11月12日

私としてはこの日を忘れてはいけません。

そんな日に発刊された申報の記事からこんなものを

いわゆる「ロンドン版孫文切手」と「北京版烈士切手」の発行告知です。

隣の記事が孫文の誕生日を祝う記事であることから、意図的にこの日を選んだということがよくわかります。

そして、注目して欲しいのは「ロンドン版孫文切手」と「北京版烈士切手」が一緒に告知されている、ということ。

整理すると

孫文切手は　2分、4分、15分、25分、1円、2円、5円

烈士切手は　半分、5分、6分、8分、10分、12分、15分、16分、20分、30分、40分

が発行されることになっており、その中で孫文像の2分と4分が先行して今日（つまり1931年11月12日）発行されると書かれています。

2分と4分が先行して発売、というのはカタログにも書かれていることですが、もう一度記事に注目すると実際には発行されていない烈士の6分や12分、16分などが明記されています。また、孫文像の5分は書かれていません。当初、5分切手は烈士切手のみで賄おうとしていたことがわかります。

そして、何より重要なのは前述の「ロンドン版孫文切手」と「北京版烈士切手」を同時に告知している、ということ。

つまり、一緒に使うことを前提として発行された、ということです。

なので、「ロンドン版孫文切手」だけでコレクションを作ることは可能ですが、ちょっと違うんじゃない？ということ。その逆も然り。

まあ、この辺は作る人のセンスだし、カタログの分類がおかしい、今すぐ変えろ！などというつもりもありません。

孫文切手と烈士切手、トータルで考えないとわからない事もあるかもよ、ということです。

申報 1931年11月12日