増山実「ジュリーの世界」 | ソンブーンのブログ

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2026年1月30日(金)

 

「今夜、喫茶マチカネで」を友人に紹介してもらい、読んでとても良いと思ったので、同じ作者の別の作品も読んでみたくなりました。作者が京都の同志社大学に通学していた時に実在した「河原町のジュリー」と呼ばれていたホームレスを主要キャラクターにした小説です。文章が上手な上に、物語そのものが良くできているので、最後まで楽しく読むことができました。作者のストーリィテラーのしての才能遺憾なく発揮された作品でした。

 

2021年4月、ポプラ社発行。325ページ。

 

作品紹介(ブクログより)

「あいつはな、誰よりも悠然と歩くんや」時代の大きな曲がり角となった70年代の京都に「河原町のジュリー」と呼ばれる有名なホームレスがいた。無数の視線に晒されてもいつも目抜き通りの真ん中を歩き、商店街の一等地で眠る男。ガラス玉のような目で空を見上げる彼は、いったい何者なのか。なぜこの街にやってきたのか。交番に赴任したばかりの新人巡査・木戸が最初にその名を聞いたのは、ひったくりにあったと交番に駆け込んできた女性からだった。彼女は自分のネックレスを「河原町のジュリー」がひったくっていったと言うのだが――。京都国体の開催を機に、街から「異物」が排除されようとしていく中で、彼の伝説は生きていた。かつてこの街で彼と人生を交錯させた人々は、やがてその「真相」を知る。人間の自由と尊厳を昭和の時代と令和の現代に浮かび上がらせ、人が「物語る」ことの意味を問うた感動作。