2024年8月4日(日)
映画専門チャンネルのムービープラスで放映を録画しておいて観ました。
2013年のイタリア・ミステリー映画。ジョゼッペ・トルナトーレ監督・脚本。ジェフリー・ラッシュ主演。他にジム・スタージェス、シルビア・フークス、ドナルド・サザーランド等出演。音楽はエンリコ・モリコーネ。
イタリア映画ではありますが、舞台はイギリスで全編英語です。見事なミステリー映画作品でした。
僕の本作品の評価は5点満点で3.9です。
作品紹介(映画コムより)
「ニュー・シネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」の名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督が、ジェフリー・ラッシュを主演に迎えて描くミステリー。天才的な審美眼を誇る鑑定士バージル・オドマンは、資産家の両親が残した絵画や家具を査定してほしいという依頼を受け、ある屋敷にやってくる。しかし、依頼人の女性クレアは屋敷内のどこかにある隠し部屋にこもったまま姿を現さない。その場所を突き止めたバージルは我慢できずに部屋をのぞき見し、クレアの美しさに心を奪われる。さらにバージルは、美術品の中に歴史的発見ともいえる美術品を見つけるが……。音楽はトルナトーレ作品常連のエンニオ・モリコーネ。イタリアのアカデミー賞と言われるダビッド・ディ・ドナテッロ賞で、作品賞、監督賞、音楽賞をはじめ6部門を受賞。
ストーリー(ウィキペディアより)
ヴァージル(ジェフリー・ラッシュ)は美術鑑定士、オークショニアとして成功を収めていた。一方、ヴァージルは、レストランでナイフやフォークすら直接触ることができないほどの重度の接触恐怖症で、老齢を迎えるまで結婚はもちろん、一度の恋愛経験すらなかった。その彼は、マスターとしてオークションを仕切りながら、巧みに誘導して、友人のビリー(ドナルド・サザーランド)が多くの美人画を落札していた。ヴァージルの自宅のクローゼット裏にあるパスワード付きの隠し部屋には、これまで不法に入手した美人画が飾れていた。ビリーはかつては画家を目指していたが、ヴァージルにその才能がないと一蹴されたことを冗談めかして話していた。
ある日ヴァージルのもとに、電話を通じて鑑定の依頼が入る。その内容は両親が死去したので、両親が収集していた美術品を競売にかけて欲しいというものだった。依頼人の邸宅には確かに様々な美術品が置いてあったが、当の依頼人であるクレア(シルヴィア・フークス)自身は姿を表さなかった。何度か足を運ぶと、依頼人のクレアは隠し部屋に引きこもっていることが分かった。
邸宅の管理人やクレア自身の会話を整理すると、クレアは広場恐怖症で長年引きこもっており、作家として生計を立てているという。依頼人が姿を表さないという不可解な依頼であったが、ヴァージルは扉越しに接するうちに、クレアに興味を持ち、ある日クレアの容姿を盗み見る。クレアは長年引きこもっていたとは思えないほど、美しく若い女性であった。
クレアにすっかり夢中になるヴァージルは、遂にクレアとの直接対面を果たし、クレアに自分のコレクション(女性の肖像画)を見せびらかすなどして、非常に親しくなる。そして、ヴァージルに依頼され邸宅に落ちていた歯車からオートマタを再現している機械職人ロバート(ジム・スタージェス)の後押しを受け、プロポーズに成功する。プロポーズを受けたクレアは両親の遺した美術品を競売にかけるのをやめて欲しいと依頼し、ヴァージルは快諾する。
婚約を機にヴァージルは競売人引退を決める。最後の競売となった会場では様々な人から祝福された。そしてビリーからは「俺の絵の才能を認めてくれなかったのが残念だったが、お祝いに絵画を送ったよ」と言い、ヴァージルは「捨てたりしないよ」も応じる。ヴァージルが帰国して自宅に帰ると、そこにクレアの姿はなかった。そして隠し部屋の美人画コレクションがすべて無くなっていた。部屋の片隅には、ロバートの再現したオートマタがあり、「どの贋作の中にも本物が隠されている」という、かつてヴァージルがロバートに語った声の録音が流れてきた。
すべてを失ったヴァージルは精神病棟に入院してリハビリをしていた。そこにかつての執事が訪ねてきて新聞や雑誌を置いていった。ヴァージルは、絵画が盗まれてからの自分を思い出す。
あの日、ヴァージルは真っ先にクレアの邸宅に駆けつけた。しかし、門扉は頑丈なチェーンで結ばれて入ることはできない。邸宅の真正面にあるバーに入り、人の出入りを確かめると真実が判明する。いつもバーの窓際の席に座って数字を口にしていた小人症の女性の名前こそが「クレア」であり、邸宅の持ち主であった。彼女は、ロバートと思しき男性に2年間邸宅を貸しており、ヴァージルが会っていたクレアと思われる女性は「何百回」も邸宅を出入りしていたという。
次にロバートの店を訪ねると、すでにもぬけの殻になっていた。そして、ビリーが送ってきた絵画は、クレアから「母の肖像画」と聞かされていたもので、裏には「愛と感謝とともに」というメッセージとともビリーのサインがしていた。この絵はビリーがクレアを描いたものと暗示される。そしてヴァージルの車のトランクには、かつてロバートが客に渡したものと同じ、徘徊老人向けの発信機が取り付けられており、動きを監視させれていたことも分かった。こうして、クレアと、ロバート、ビリーの三人が共犯者として浮かび上がったが、そもそも絵画は違法な手段で入手したものであり、警察にも届けられなかった。
ヴァージルはクレアを忘れられず、彼女が「楽しかった思い出」と語ったプラハのレストラン「ナイト&デイ」を訪れる。ウェイターに「人を待っている」と告げて、来るはずもないクレアを待ちながら一人で食事をする。