2023年6月23日(金)
実に読み応えのあるエンタメ小説でした。東京一のヤクザの親分が亡くなり、教師である娘がその後を継ぐという漫画にでもありそうな話を緻密な時代背景の描写や実在の人物をもじったような登場人物を引っ張り出して内容に重厚さを加えているので、500ページ強の大作でしたが、最後まで飽きる事なく読み終えることが出来ました。
終戦直後の混沌とした東京の様子、GHQの横暴な様子、吉田茂・鳩山一郎を思わせる政界の実力者達の暗躍等、暴力という力と力の戦いではなく、政治力・経済力を背景にした智謀の戦いの部分にこそ、本作品の魅力があると感じました。実力のある書き手だと感銘を受けました。
2022年7月、新潮社発行。535ページ。
作品紹介(新潮社のサイトより)
1945年、東京。大物極道である父の死により、突如、その「代行」役となることを余儀なくされた綾女。大物議員が巡らす陥穽。GHQの暗躍。覇権を目論む極道者たちの瘴気……。綾女が辿る、鮮血に彩られた謀略と闘争の遍歴は、やがて、戦後日本の闇をも呑み込む、漆黒の終局へと突き進む! 脳天撃ち抜く怒濤の犯罪巨編、堂々開幕。