2019年4月9日(火)
本作品は、作者が55歳から小説講座に通い始めて8年後に執筆したデビュー作です。第54回文藝賞受賞、第158回芥川賞受賞。
東北弁全開なので、東北弁に馴染みのない者には、やや取っつきの悪さは感じますが、一方その東北弁が独特のリズムと雰囲気を醸し出しているとも感じました。「老い」と「孤独」を見事に描いていると思いました。
2017年11月、河出書房出版。164ページ。
作品紹介(河出書房のサイトより)
74歳、ひとり暮らしの桃子さん。
おらの今は、こわいものなし。
結婚を3日後に控えた24歳の秋、東京オリンピックのファンファーレに押し出されるように、故郷を飛び出した桃子さん。
身ひとつで上野駅に降り立ってから50年――住み込みのアルバイト、周造との出会いと結婚、二児の誕生と成長、そして夫の死。
「この先一人でどやって暮らす。こまったぁどうすんべぇ」
40年来住み慣れた都市近郊の新興住宅で、ひとり茶をすすり、ねずみの音に耳をすませるうちに、桃子さんの内から外から、声がジャズのセッションのように湧きあがる。
捨てた故郷、疎遠になった息子と娘、そして亡き夫への愛。震えるような悲しみの果てに、桃子さんが辿り着いたものとは――
青春小説の対極、玄冬小説の誕生!
*玄冬小説とは……歳をとるのも悪くない、と思えるような小説のこと。
新たな老いの境地を描いた感動作。第54回文藝賞受賞作。
主婦から小説家へーー63歳、史上最年長受賞。