12月13日(木)
ここ1-2か月集中的に原田マハの作品を読んでいます。原田マハは美術に造詣が深いことから、美術・芸術家の生涯を描いた作品が多いのですが、本作品はそれらとは随分趣の異なるものです。事情により自分では旅ができないので、代わりに旅をしてきて欲しいというお客の要望に応えて、旅をしてくるという旅屋というユニークな職業?の主人公。読後感爽やかな作品でした。
2012年4月、集英社発行。284ページ。
作品紹介(集英社のサイトより)
名画の真贋に迫るアートミステリー『楽園のカンヴァス』で脚光を集めている原田さん。次はどんな作品を?と注目している方も多いかと思います。そんな期待をいい意味で大幅に&上向きに裏切るのが、この『旅屋おかえり』です!
主人公は売れないタレント「おかえり」こと丘えりか、32歳。高校の修学旅行でよろずやプロの萬鉄壁社長(元プロボクサー!)にスカウトされてアイドルデビューするものの、鳴かず飛ばず……。今や唯一のレギュラーが旅とグルメ番組「ちょびっとちょびっ旅」のレポーター役だけ。さらに追い討ちをかけるように、番組の打ち切りが決定。
そんな崖っぷちタレントのおかえりのもとに、ある華道家元の奥様がやってきます。病気で入院生活を続ける娘に代わって、おかえりさんに旅に出てほしい。その様子を娘に報告してやってほしい、と。
最初は戸惑ったおかえりでしたが、病床にある華道家の娘・真与さんのリクエストを実現するため、前代未聞の「旅代理人」として春の角館へ出発します。かつて、真与さんが願ったけれども叶わなかった「青空の下、満開のしだれ桜を見る」ために。さて、旅の成否はいかに――。
その後も様々な事情を抱えた依頼人が登場し、おかえりは本格的に旅屋を始めます。笑いあり、涙あり、そして旅心をたっぷりとくすぐられること請け合いの「読むサプリメント」。おかえりの旅は、あなたの人生も変えていくはず。ぜひご一読ください!
(編集I)