赤神諒「大友二階崩れ」 | ソンブーンのブログ

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12月7日(金)

 

第9回日経小説大賞受賞作品。今まで読んだことのない作者の作品ですが、文章力があり、読み応えのある歴史小説でした。主人公は乱世の時代に「義を貫き通した」武将ですが、兄弟・家族・家臣よりも主君を最優先する生き方には是とできないものを強く感じました。家族・兄弟・家臣の為には主君を裏切ることも時には必要なのではないか?特に信頼に足る主君でない場合には、と思ったりしました。愚直なだけのリーダーは何が起こるかわからないような激動の時代においては、家族や組織を不幸な方向に導いてしまう。戦国時代のみならず、現在においても当てはまります。

 

2018年2月、日本経済新聞出版社発行。278ページ。

 

作品紹介(日経新聞のサイトより)

2017年12月、第9回日経小説大賞(選考委員:辻原登、高樹のぶ子、伊集院静)を高い評価で受賞した小説「義と愛と」を改題、作品の舞台となった戦国時代の史実をタイトルにして世に問う本格歴史小説。

本作は戦国時代の有名な武将の戦や権謀術数を巡る物語でもなければ、下克上の物語でもない。主家に仕える重臣たちの内面を通して熾烈な勢力争いを繰り広げる戦国大名家の"生身の人間ドラマ"をあますところなく描ききった点で新しい。大型新人のデビュー作である。

物語は、天文19年(1550年)、九州・豊後(現在の大分県)の戦国大名、大友氏に起こった政変「二階崩れの変」を、時の当主・大友義鑑の腹心、吉弘兄弟を通して描く。
大友家20代当主・義鑑が愛妾の子への世継ぎのため、21歳の長子・義鎮(後にキリシタン大名として名をはせた大友宗麟)を廃嫡せんとし、重臣たちが義鑑派と義鎮派に分裂、熾烈なお家騒動へと発展する。家中での勢力争いに明け暮れる重臣の中で、一途に大友家への「義」を貫いた吉弘鑑理と、その弟で、数奇な運命で出会った姫への「愛」に生きた鑑広を主人公に、激しく移りゆく戦国の世の武将たちの生き様を迫力ある筆致で活写していく。派閥争い、裏切り、暗黙の盟約、論功行賞、誰に仕えるか……それらを「義」と「愛」を貫き、筋を通した兄弟を通して描くことで、現代の組織と人間との関係にも通じる普遍的なドラマに仕上がっている。良質なエンターテイメント作品だが、組織人が読めばビジネス小説の側面も併せ持っているだろう。