7月23日(日)
家庭裁判所調査官の見習いが主人公。彼が担当することになる5つの案件を短編小説風にした作品です。
流石に柚月裕子ですね。どの作品を読んでも駄作がありません。本作品も読み終えて、著者への感謝しかありません。
家庭裁判所に持ち込まれる案件はいずれも煮詰まった人間の縮図ばかりです。5つの案件のどれも共感しましたが、中でも第一の17歳の少女が家族を支える為に窃盗をしてしまう事件には考えさせられました。自分を犠牲にして、家族を支える少女に幸ある人生を祈るばかりです。
文藝春秋発行。244ページ。
作品紹介(文藝春秋のサイトより)
裁判所職員採用試験に合格し、家裁調査官に採用された望月大地。
だが、採用されてから任官するまでの二年間――養成課程研修のあいだ、修習生は家庭調査官補・通称“カンポちゃん”と呼ばれる。
試験に合格した二人の同期とともに、九州の県庁所在地にある福森家裁に配属された大地は、当初は関係書類の記載や整理を主に行っていたが、今回、はじめて実際の少年事件を扱うことになっていた。
窃盗を犯した少女。ストーカー事案で逮捕された高校生。一見幸せそうに見えた夫婦。親権を争う父と母のどちらに着いていっていいのかわからない少年。
心を開かない相談者たちを相手に、彼は真実に辿り着き、手を差し伸べることができるのか――
彼らの未来のため、悩み、成長する「カンポちゃん」の物語。