10月3日(土)
本号は、全部で784ページ。本号の特集は、6人の作家の読み切り短編小説。
特集の6人の中では、中澤日菜子のSwing byを楽しく読むことができた。仕事の少ない便利屋が、離婚したいと希望する夫婦の「別れさせ屋」として手を貸すという設定が面白かった。
新連載の葉真中顕の「ブラック・ドック」はやや荒唐無稽な物語だが、最初からテンションの高い出だしで今後の展開が楽しみになった。動物愛護団体が、いつまでたっても肉食を続け、或いはペットを商品として動物売買を続ける人達にテロを仕掛けるという物語の設定です。
先日楽しく読んだ「サバーイ・サバーイ 駐チェンマイ日本国総領事館」の著者である岡崎大五の「世界満腹食べ歩き」は、海外旅行が趣味の僕にはとても興味の惹かれるものでした。第1回の今回はキューバ。未だ行ったことがないカリブの国だが、旅好きの著者らしい感想に共感を覚えました。
岩井三四二の「銀の海に浮かぶ城」最終回は、僕の予想に反してあっけない幕切れだった。物語の出だしがスケールの大きさを感じる書き出しであったのに比して、どうも物足りなさを感じるエンディングだったのが、何とも残念。
大石圭の「蜘蛛と蝶」第3回。
美人だが、地味で男付き合いに消極的であった主人公は、33歳の生真面目な歯科衛生士。ヤクダ系のサラ金から高利で借金をした兄を助ける為に、主人公を結婚詐欺で将来の為に蓄えてきた貯金を騙しとろうとする24歳のハンサムガイが物語のもう一人の主役。彼は、主人公の性格の良さを知るにつれて良心の呵責を覚えるようになるも、兄やその仲間に引きづられて、主人公を破滅の道に引きづりこむ。
物語を読んでいる内に、強い憤りが全身を満たすのを感じました。真面目に生きている人を、騙して破滅させるなんて、男でも女でも許されることではない。・・・でもいるんでしょうね。こういう悪が世の中には。