4月15日(水)
僕は政治的には、右でも左でもなく、どちらかと言えば、ノンポリです。然し、少年時代より、どういう経緯で、日本は太平洋戦争に突入することになるのか?については、是非とも知りたいと希望していました。
偶々、新聞の書評欄で、この本の事を知り、是非とも読んでみたいと思いました。著者は、名古屋大学法学部の元教授、定年退職されたばかりです。膨大な資料を読み込んだ力作です。
関東軍の暴走が、直接的には、中国との全面戦争に繋がり、欧米を巻き込んだ第2次世界大戦になっていくということは、この本を読む前から知っていたことでした。
この本を読んで、驚いたことは、上意下達の組織であり、天皇を神と崇拝していた鉄壁の組織だと思っていた陸軍という組織は、一夕会という40人程の中堅幹部の集団により、引き釣りまわされていたことでした。
天皇の命令を無視し、いわんや陸軍大臣や参謀総長の命令も無視するというのは、もはや組織とは呼べない代物です。他国の軍隊では見られないのではないでしょうか?こんな陸軍という組織が、明治以来の日清戦争・日露戦争の財産・栄光を毀損し、国民を塗炭の苦しみに追い込んだのか?と判ると、彼らの罪は許し難い。
この本の中で、特に次の2つの文章は、特に僕の驚いたことでした。明らかに組織として欠点を内包していると考えざるを得ません。
ページ188。幣原外相は、戦後次のように回想している。「満州事変については、政府や軍の首脳が優柔不断であったから、事件がますます大きくなったのだという非難がある。しかしもし鎮圧策を強行したら、日本はもっと早く軍事革命を起こしたかもしれない。・・・軍の内部はいわゆる下克上で、陸軍大臣でも、海軍大臣でも、ほとんど結束した青年将校を抑えることが出来なかった。」
ページ194。一般にはあまり知られていないが、関東軍など出先の軍司令官は、天皇に直属しており、陸軍大臣のみならず、参謀総長といえども彼らを指揮命令する権限はもっていなかった。
本の紹介(講談社より)
日本を破滅へと導くことになった陸軍の独断専行という事態はなぜおこったのか?
彼らはいかなる思想の元に行動していたのか?
日本陸軍という日本の歴史においても特異な性質を持った組織がいかに形成され、そしてついには日本を敗戦という破滅に引きずり込みながら自らも崩壊に至ったかのプロセスを描く3部作の第1巻。
少壮エリート軍人層による組織内での下克上、その結果としての満州事変から政党政治の終焉までを描く。