2月22日(日)
雨。こんな日は音楽と読書。
本号は、全部で562ページ。本号の特集は「夏の時代・歴史小説祭り」と第27回山本周五郎賞決定発表。
第27回山本周五郎賞の受賞者は、米澤穂信氏。彼の短編小説集の「満願」が受賞作。本号では、その中の一つである「ほたるいかの思い出」が掲載されていた。爽やかな読後感の短編小説で、「満願」を一冊まるごと読みたくなりました。
特集として、山本周五郎賞の受賞者である4人の作家による読みきり短編小説が掲載されていたが、この中では箒木蓮生の「歩く使者」が良かった。医者の目から見た小説。いくら新たな医療技術が進歩しても、その恩恵を受けることができない貧富の問題があることを無念の気持ちで見ている医者の話です。
特集の時代・歴史小説の中では、次の作品が秀逸だと思った。
天野純希の「承禎の妄執」。織田信長が力をつけてきた時代の近畿の名門である六角承禎を主人高にした短編小説。
藤原緋沙子の「甘酒」。幼子であった主人公を借金の為に捨てた父親が、命をかけて娘を助けようとする最後に、父親の情愛が良く現れていて、胸を打たれる。
澤田瞳子の「南海の桃樹」。遣唐使として中国・唐に派遣された吉備朝臣真備が主人公の小説。中国までの航海を安全なものにする為に沖縄諸島に目印として石柱を設置することを考え・・・。こんな昔から沖縄が地理上の要衝として認識されていたということですね。
連載ものでは、葉室麟の「鬼神の如く 黒田叛臣伝」の第7回が良かった。九州・福岡の黒田藩が舞台で、藩主と家老との対立は緊張感あふれるドラマで、次回が愉しみになる。