小説新潮3月号 読了 | ソンブーンのブログ

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8月8日(金)


本号は全部で554ページ。本号の特集は、「性欲 VS 食欲」。


小説新潮の編集部は、他の小説誌には見られない遊び心と企画力があると感心する。雑誌の中間に、「性欲 VS 食欲 後半戦」というページを見た時には、思わず笑ってしまいました。


6人の作家の「性欲」チームと7人の作家の「食欲」チームがそれぞれのテーマに沿った短編小説を書いて競い合うという感じ。2つのテーマは、人間の本源的な基本本能であるので、書くテーマとしてはとても巨大だが、一方なかなかの難物でもあるので、13の作品は工夫が見られて面白かった。


なかでも、水沢秋生の「岡部麟一郎氏の幸福な生活」は性欲に生活を振りまわらされる中年男の喜劇が見事に描かれていて面白かった。又、吉村龍一の「ヒッパレ」は、その落ち着いたペンタッチが、少年の自然な食欲をまるで至近距離から眺めたような気にさせる秀作だ。


本号には、特集作品以外にも、力作の連載ものがいくつもあるのが嬉い。


葉室麟の「鬼神の如く」第3回

伊東潤の「死んでたまるか」第5回

樋口有介の「金魚蜂の夏」第5回

原田マハの「暗幕のゲルニカ」第9回