
皆さま、「枕草子」と聞いて、何を思います?
何をご存じですか?
どんなイメージ?
よかったらこの続きを読む前に一瞬考えて、
コメント欄で教えてくださいまし。 中3から高校卒業まで日本にいなかった私は恥ずかしながら古典文学の知識がかなり乏しく、枕草子についても、「春はあけぼの」と言われてやっと、ああそうねえ、ってくらいの認識しかありませんでした。だからこそ、どの時代にかぎらず、チャンスがあれば読めるものは読みたいと思っています。とはいえ、枕草子じゃあ原文を読むわけにもいかず。ところが、何がきっかけだったのかすでに失念しましたが、2ヶ月ほど前ふと、田辺聖子さんの枕草子小説版
「むかし あけぼの」
を手にとってみたら、まあこれが面白くて!田辺さんご自身もあとがきで書いておられるとおり、これは現代語訳ではなくて、田辺さんが「私は枕草子をこう読んだ」というご自分の解釈をベースに、小説として再構築したものだそうです。舞台は西暦1000年になろうとする頃。自分の美的嗜好をエッセイのような短文に書きとめていたのがきっかけで人の目にとまり、宮中で中宮(皇后)に仕えることになった清少納言の半生が、本人が振り返る形で一人称で語られます。名高い歌人で教養高く、ユーモアもある父。そんな父とは正反対の、美的感性ゼロで、ドンくさくて、バカ正直、でも気はいい夫・則光(のりみつ)。美的なもの、おもしろがるものに対して同じ感性を持ち清少納言がひたすら憧れて尽くす、若くて美しい中宮(ちゅうぐう)定子。清少納言の教養やユーモアを面白がって親しくなろうと近寄る男達。千年の昔の雅やかなさまや、面白いストーリー展開だけでなく、なぜ私がこの田辺版枕草子ワールドにはまったかというと、清少納言がとっても「さばけた姉さん」だから!田辺さんの解釈を通してとはいえ、あの時代にあんな革新的なオナゴがいたなんて。自分の才能に自信を持ち、殿方との付き合いに対する考え方もすっきりしており(実はジメジメな一面もあったそうで、それは別の本に載っているらしいけど)、また同じ女房(=女官)仲間でウジウジとグチばかり言う女には「そんなにイヤなら辞めればいいのに」などと一蹴する。いや~、スカっとしますな。独身・子なし、という点では、清少納言は「負け犬」ちゃん。小説によると、彼女は則光という男と結婚し、則光の他の妻の子の面倒をみることにもなるけれど、自分の子は産まず、則光とも別れて宮仕えというお仕事をすることに。あの時代も「オンナは家にいるのがヨイ」と言う人たちが多かった反面、女性が外で働くことに理解のある男性もいたらしい。ほかにも、女性の嫉妬や男性の権力争い、社会通念・・・などなど千年経っても変わっていないことに驚きました。なんか力づけられるね~。千年経っても、人の悩みって変わってないのねえ。こんな昔から、同じようなこと考えていたのね、じゃあ、今の世であれこれ悩んでもしょうがないねえ、と思わせてくれるところも、こういう超・古典のありがたさ、かな。
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