法王ヨハネ・パウロ2世が、日本時間の今朝早くに亡くなられました。
世界中が悲しんでいますが、私も。
(写真はロイター/Max Rossi 今年1月撮影のもの)
実は、教皇様(カトリックでは法王ではなく教皇といいます)に
直接お目にかかったことがあるんです。
80年代初め、ドイツに住んでいた頃に家族揃ってローマに行きました。我が家は家族全員カトリックだし、当然のようにバチカンにも行きました。サンピエトロ寺院のなかを「やっぱすごいねえ~」など言いながらトコトコ歩いていたら、向こうから東洋人の神父様が近寄ってきて"Are you Japanese?" と聞かれました。(←日本人じゃないといけないので、最初は必ず英語で聞くそうです)「はい」と答えると、神父様は続けて「教皇様にはご興味おありですか?」「ええもちろん。カトリックですから」と私たち。「じゃあ教皇様にお会いになりたいですか?」「ええ???お会いできるんですか??ぜひっ!」という単なる偶然の出会いで、なんとその日の謁見の席に連れて行っていただくことになりました。この謁見というのは、毎週、ミサの後に特別のホールで行われていました。謁見式に参列しようと何ヶ月も前からバチカンのオフィスを通して予約して、今日ついに教皇様にお会いできる!と喜びに打ち震える団体が世界中から集まっているわけです。式の最初に、どの国から来たなんというグループ、という紹介がひとつひとつあり、そのつどそのグループから歓声が上がります。ホールには100人?いや200人くらいいたでしょうか。でもこの人たちのほとんどは直接教皇様にご挨拶できるわけではなく、各グループの代表一人か二人、なんです。ひととおりの式が終わって、舞台から降りていらっしゃる教皇様に一人ずつご挨拶するべく、代表さんたちのみ最前列に一列に並びます。ご挨拶の仕方も決まっています。ひざを折る西洋式のお辞儀をしながら教皇様の指輪にキスして、「神に感謝、ありがとう」と自国語で言うように、との指示がありました。いよいよ代表さん一人ずつご対面のとき。いわれたとおりのご挨拶をしているところを、バチカン側のオフィシャルカメラマンが写真をとってくれるんです。みんな嬉しくて興奮して、泣き出さんばかりですよ。そんな超超特権階級の列の最後尾に、なんと私たち家族が並ぶことに!ついに私たちの番がやってきました。(ドキドキ)父、母、私、妹の順に、ご挨拶させていただきました。写真もバチバチ撮っていただきました。教皇様は「神に感謝」という意味の言葉をものすごい数の言語でご存知だそうで、私たちには「カミニカンシャ」と言って下さいました。とってもお優しい、柔和なお顔でした。はあ~。すっごい経験しちゃった。あの日本人神父様のおかげです。神に感謝、です。このときのオフィシャルフォト、A4ぐらいのサイズの立派な写真を後日いただいたのですがね。まさかこんなことになろうとは夢にも思っていなかったから、私たちほんとにカジュアルな格好してたんですよ。ローマは危ないし日本人と見ると狙われるから、絶対キレイな格好で歩くな、って現地在住の方たちにさんざん言われていたんです。両親はバーバリーのコートを着たままだし、妹と私にいたってはただのトレーナーとパンツですよっ!参列者は皆さん、当然正装。民族衣装で着飾っている人もいたのにさぁ。なんなの、私たち。これじゃあせっかくの写真を家宝にしようにもあまりに情けないので、CG処理で服を替えよう、という案が浮かんでは消え浮かんでは消えて、早20年以上経ってしまいました。こんなことを思い出しながら、教皇様のご冥福をお祈りしています。