世界的に有名なチェロ奏者(&指揮者)、ロストロポーヴィチ氏が
27日亡くなられました。享年80歳。幼少の頃から天才チェロ奏者の名をほしいままにしロシアで着実にキャリアを積み上げるも、1970年には社会主義を批判した作家ソルジェニーツィンを擁護したことでソビエト当局から「反体制」とみなされて、国内演奏活動を停止させられたり、その後国外亡命したり、その間12年間にわたってソビエト当局から国籍剥奪されたり、・・・と波瀾万丈の人生を歩みながらも「世の宝」とされてきた人です。詳しくはこちら(ウィキペディア)をどうぞ。仕事を通してこの偉大な方と、直接的間接的に関わることが何度かあり、もうずいぶん前ですが、東京でのコンサートのお手伝いをする機会がありました。この日はチェロ協奏曲2曲、というプログラム。前半は小曲とはいうものの、トータル2時間に及ぶ演奏会に出ずっぱり。本番で1曲弾くだけでもエネルギー使うのに、大丈夫かな、と案じていました。元気でピンピンしていた頃とはいえ、ゆうに70歳は過ぎていましたから。演奏会直後に、主催者が開くレセプションがありました。このおじいさんは、演奏会ひとつ終えてきたとは思えない元気さで、上機嫌でいろんな人としゃべり、主催者に挨拶し、スポンサーを持ち上げ、お酒をたくさん飲み、踊り出さんばかりに動きまわり、心から楽しそうに振舞っていました。こちらの心配をよそにずいぶん長いことレセプションを楽しまれた後、いざ帰ろうと思ったら、楽屋口にファンの大行列。寒い中をものともせず、何十人という人たちが1時間以上も待っていました。おじいさん、断るのかと思いきや、行列している人たち全員を「寒いから」と建物の中に招きいれ、ひとりひとりにサインをし始めました。サインだけじゃないの。ファンの求めに応じて写真を撮ったり握手したり、また彼は愛情表現の大げさな「キス魔」ゆえ顔なじみの人にはブチューとキスしてあげたり、・・・最後の一人が終わるまで、ここでまた1時間近くかかりました。終わっていよいよ帰る間際には、我々スタッフにもブチュー。じいちゃん、ありがとう(笑)。昨年手術をなさって大分弱られたようでしたが、それでも12月には演奏会で来日。でもホっとしていたのもつかの間、2月には「いよいよ危ない」という外電が流れてきました。「ロシアで死にたい」と、パリの自宅から特別移送されたと。そんな状態でしたが、幸いにもそのときは持ちこたえて、なんと3月末には80歳の誕生日パーティーができるほど、お元気になられていました。そして。27日午後6時ごろ、「亡くなられた」の第一報が。うわー、ついに・・・。私自身が悲しいというよりも、私の周りにいる、彼ともっと縁の深い人たちのショックを思うとそちらのほうが切なかったです。ちょうど今、ロストロポーヴィチのドキュメンタリー映画が上映中です。たまたまこの映画の準備にもちょっとだけ関わることがあり、2月ごろは容態を心配しつつ、だったのですが追悼上映になってしまいました・・・。「ロストロポーヴィチ 人生の祭典」 http://www.sokurov.jp/*7月13日 追記ロストロポーヴィチを偲ぶ会が、7月21日にすみだトリフォニーホール(錦糸町)で開かれます。詳しくはこちらをどうぞ。http://www.music.co.jp/classicnews/c-news/index.html#6blog ranking