ドイツ・ワイナリーの旅⑤【Erben von Beulwitz】
日曜日のサッカーEURO2012の決勝、始まるまでは当地イタリアではかなりの盛り上がりだったのですが・・・終わった後は、ガックリ・・・残念な結果でした。 サッカーといえば、2006年ワールドカップでイタリアが優勝したときのことは、鮮明に記憶に残っています。予選で苦戦しつつ、ギリギリで決勝リーグに進出。一試合ごとに強くなって勝ち進み、最後に優勝したときの感動は、6年たっった今でも忘れられません。後日、選手全員の名前が入った優勝記念の青色のTシャツを購入し、今も大切に持っています。 2010年のワールドカップでは、「あの感動をもう一度」と期待して、観戦用に大型画面のテレビまで購入したのですが、まさかの予選敗退。今回のEURO2012では、ようやく大画面テレビが活躍しました。特に、優勝候補のドイツに勝った準決勝戦は、イタリアチームの良さが十分発揮された良い試合でした。 2年後のブラジルに期待します。 前置きが長くなりましたが、ドイツ、モーゼルのワイナリー訪問の続きです。 旅の3日目。午前中に訪ねたのは、Erben von Beulwitz200年前からリースリング品種を作り続ける歴史のあるワイナリーです。1982年に、現オーナーに引き継がれました。 写真は、ワイナリーに併設されたホテル兼レストラン。この建物の奥が、醸造所になっています。 レストランとホテルも運営するとは、オーナーはなかなかの経営センス。確かに、ワイナリーとの相乗効果がありそうです。 それに、ワイン作りは天候等に左右され、常にリスクが伴うので、収入源が他にあれば、経営も安定します。オーナーのErben さん(中央)は、思いのほか小柄。実直そうな方です。 まずは、畑を案内してくださるとのことで、一同大喜び。 高台の畑は、全部で6、4ヘクタール。うち、90%はリースリングを作っています。 Erbenさんは、英語を話せないとのことで、急遽、ドイツ語の堪能なソムリエが、イタリア語に通訳。 畑は急斜面ですが、前に訪ねたヘイマンさんの畑ほどではありません。 地質も、ゴロゴロした石は少なく穏やか。 温暖化の影響で、近年は、問題なくブドウが熟成を迎えるそうです。 一枝につき、10芽がめやす。 収穫前の8月に、間引きを行い、3分の1の果実を切り落とします。(こうすることで、糖分の高い高品質のブドウになります) 1平方メートルあたりハーフボトル1本の生産量。 畑のうち、1ヘクタールは、接木をしていない樹齢100年以上の木。(イタリア語では、接木をしていない木を piede franco ピエデ・フランコ と呼んでいます。) 19世紀にフィロキセラ(別名:ブドウ根アブラムシ)によって ヨーロッパがブドウ全滅の危機にさらされて以来、フィロキセラに耐性のある北米品種を台木に使い、ヨーロッパ品種を接木するのが一般的になりました。 現在、ヨーロッパでは、ほとんどのブドウが接木されていますが、気温のかなり低い地域等では、フィロキセラの影響を受けにくく、piede franco の木が存在します。 接木をしていない方が、木も健康に育ちますし、長生きします。 ブドウの木の寿命が50年前後と言われるなか、Erbenさんの畑に、100年以上の樹齢の木が1ヘクタールもあるのは驚くべきことで、piede franco の賜物といえます。古樹には少量の果実しか生りませんが、コクと風味の凝縮された、素晴らしいブドウになります。Erbenさんは、樹齢100年以上の木を育てていることに 大きな誇りを持っていますが、「残念ながら、近年の法律によって、新しく植える苗は接木が義務づけられてしまった。」と悔しそうに語っていました。 畑のすぐ近くは、閑静な住宅地。 ここを通って、歩いてワイナリーに戻りました。30分ほどの、ちょうど良い散歩になりました。 ワイナリーに戻って、醸造所を見学。 20年前に、全てステンレスタンクに買い替えたとのこと。 醸造用の機械は、フランス製、ドイツ製等、色々試した結果、イタリア製が最良との結論に至ったそうです。イタリア製の機械は、小規模なワイナリーを想定して作ってあるので、小回りもきいて、効率が良いとのこと。その分、値段は割高ですが、2年で投資分を取り戻せたとのことでした。やはり、Erbenさんは、ビジネスマンとしての裁量も兼ね備えています。 酵母は、できる限り自然の酵母を利用(約80%)。ワインの栓は、スクルーキャップとコルクが半々とのこと。長期熟成用のものにはコルクを使っているそうです。 いよいよ試飲。ホテルの中には、レストラン・ルームが何部屋かあって、そのうちの一つでテイスティング。 Erbenさん自らがワインをサーブしてくれました。 各々のワインごとに、説明をしてくださいます。 全部で 7種類のワインを試飲させてもらいました。 試飲したワイン 1 2010 Kaseler Nies'chen Riesling Spatlese trocken 2 2010 Kaseler Nies'chen Riesling "Im Taubenber" GroBes Gewachs - Bernkasteler Ring 3 2010 Kaseler Nies'chan Riesling Kabinett feinherb 4 2010Kaseler Nie'schen Riesling Spatlese feinherb 5 2010 Kaseler Nies'chan Riesling Kabinett 6 2010 Kaseler Nies'chan Riesling Spatlese "Alte Reben" 7 2010 Kaseler Nies'chan Riesling Auslese "Alte Reben" 私は、国際市場の売れ筋を意識して糖度をおさえた1や2のタイプのものより、糖と酸の効いているモーゼルらしい 3以降のものが気に入りました。3は、食前酒として夏によく冷やして飲むと最高。糖と酸の心地よいバランス、白花、青リンゴの香り。まとめ買い決定!4は、地元の好みに合わせて作ったものだそうで、糖よりも酸味がきわだっていました(確かにサワークラフトには合いそう)。1年後には、熟成が進んで よりまろやかになっていると思うので、これも購入。5は、糖度がより高いものの、酸味とのバランスが良いので、するする飲めてしまいます。タイ料理等に合いそう。これも、まとめ買い!6、7は、古樹 80~100年のブドウで作られたもので、さすが濃厚な味。記念に購入。 うれしいことに、お値段も とってもリーズナブル。今まで訪問したモーゼルのワイナリーと比べると、3分の1から4分の1の価格です。(スクリューキャップのものなら、フレッチャロッサのリースリングとほぼ同じ値段)。ついつい購買欲をかきたれられたのでした。 試飲の後は、同じお部屋で ビュッフェスタイルのランチ (写真撮り忘れ)。もちろん、リースリングをお供に。 窓の外には、ブドウ棚の下で、ワインを飲んでいる年配のご夫婦の姿が。 次回、モーゼルに来る機会があったら、ここのホテルに泊まるのもいいな~と思いました。 (次回へと続く)