青天の霹靂だった…………
三年付き合った彼には奥さんが居たってこと
仕事で知り合った彼は韓国人
ご両親は彼が小さい頃に離婚していて
お母様は母国で暮らしていた
流暢な日本語を話す彼に
韓国語を覚えはじめの私が
心引かれるのに時間はかからなかった
「“オッパ”って、呼んでよ。」
「えー?、韓国ではよく彼氏のことそう呼ぶみたいだけど、イさんと私はまだそんな間じゃないじゃないですか~」
「だから~、サナとはそうなりたいって事。」
「…えっ?…」
「사랑한다…」
「そうやって、すぐ母国語使うけど…
さすがの私だってそれぐらいわかるし、
…信じていいの?…」
「진심으로 사랑하는。」
日本人と違ってストレートに愛を表現する彼を、私は戸惑いながらも受け入れていった
ふたりで過ごした三年間は
嘘だったんだろうか…………?
外資系商社の韓国部門に配属された私に
“ちょっとかじった”だけのハングルは難しすぎて、毎日電子辞書とにらめっこしていた
“言語を覚えるのに一番早いのは、その国の恋人を作ること!!”
なんて、よく言ったもんだ
彼と付き合うようになってから
私のハングルの上達も早くなり
日本語が話せるくせに
わざとハングルを使う彼との会話も
困らなくなった
「秋夕のお休み、今回は少し長く取ろうと思ってるんだ。」
「いいんじゃない?
お母様も寂しくしてるでしょうから。」
「サナを残していくのは寂しいけど……」
「私も久しぶりに韓国行っちゃおうかな~」
「う~ん……
この時期はどこも休みが多いから、違うときにゆっくり行こう。」
「そうね~」
そんな会話をしていたのを思い出す
そうか、来て欲しくなかったんだね……
そう、彼が韓国に残してきたのは
お母様だけじゃ無かったってこと………
いまなら
あの言葉の訳がわかった……………