祭囃子が聞こえる。 | 牧童の溜息

祭囃子が聞こえる。


「無感動に祭りの中を通り抜ける」牧童

祭囃子が聞こえている。
僕は無感動に、誰も待ってはいない家路を急ぐ。
急ぐ理由もないのに、急ぐ。

僕は祭りが好きだった。
祭囃子が聞こえてくると、自然に心がウキウキとしてきた。
祭囃子に向かって走り出していたのに。
子供の頃も、大人になってからも。

いつからかな。
無感動になってしまったのは。

○○ちゃんのパパ。○○さんのご主人。
ってゆう名称を手放して自由を得たわけではない。
やはり失ってしまった、と言うのが本音だろう。

行き着く場所を求めて彷徨っているわけでもなく
行き着く場所へと流されているだけだ。

無責任な僕は、端から見れば自由人にも見えるようだ。
だから彷徨ってる今の自分をを嘆いてみても
楽しんでいるように見えるのかもしれない。

他人の不幸が滑稽に見えるように
だから僕も自分の出来の悪さを笑うしかない。