思わず泣きそうになったこと | うつ病は免罪符!?

うつ病は免罪符!?

闘病生活を出来るだけリアルに描きたいと思います。

最近、過去のことを思い出します。

本当、黒歴史が多くてつらいです。


でもそんな中でも、

未だに感動するようなこともたまにはあります。


私は以前、遊園地のアトラクション担当として働いていました。

遊園地は安全面に関しては当然厳しく、

絶叫系のアトラクションとなると、運営にはかなり厳しい試験もあるし、

何十もの安全確認を行います。


そんな時、友人がある絶叫マシーンの運営を担当していたんですが、

途中で緊急停止がかかりました。

機械なのでたまに誤作動で緊急停止してしまうことはあるんですが、

その時はガチでベルトのロックがされておらず、

下手すりゃ事故…という状態でした。

(幸い、お客様は無事でした)


それはそれは大問題になり、

なぜロックがかからなかったのか、いつ外れたのか…と、

社員さんと整備スタッフは焦る焦る。

結局運休になりました。


私はその時違う乗り物を担当していたのですが、

「ベルト外れ」の話を聞いて、

「えー、機械壊れかけ?」と機械の方を疑うばかり。

だってその担当者の友人は、本当に丁寧な仕事をする子で、

ベルト装着時のロックが掛っているかの確認に手を抜くような人ではなかったから。

たとえて言うなら、車運転時に踏切で左右確認に音の確認まで行うようなタイプ。

絶対に安全確認を怠ったとは思えませんでした。


しかし次の日の例会での社員さんの発言に唖然としました。

まるで友人が安全確認を怠ったと決めつけるような言い方でした。


私は乗り物スタート前にはロックはされていたが、

途中で誤作動でロックが外れてしまった…と思っていましたが、

社員さんの説明は、

スタート前からロックは掛っていなかった。

スタッフがチェックを怠っていなければこんな問題は起きなかった…と。


ロック掛ってないのにスタートできる乗り物が悪いだろ。とも思いましたが、

まず主張したいのは友人はちゃんと安全確認をしています。

まるで信じていない社員にかなり不満を持ちました。




しかしその数日後、神が現れました。


ベルト外れの点検・修理が終わり、

再度安全確認に関して気を付けていこう、と決意の日だったのですが、

前回とは違う社員さんがこう、例会でおっしゃってくれたんです。


「今回のベルト外れに関して、一番悪いのは機械です。

お客さまの安全を守るはずのベルトが、きちんと機能しなかった。

でも今、点検を行い、機械の機能は万全であると確認が取れました。

もう機械は大丈夫です。

なのでここからはみなさんひとりひとりが気を付けて、

再度安全確認を行ってください。

そして一人でも多くのお客さまに、安全に楽しんで頂きましょう」


以前の社員の言葉に不満があった私は、

この言葉に救われました。

これから笑顔で接客しなければならないというのに、

本当にうれしくて涙があふれてきました。


わかりますかね?この違い。

アトラクションスタッフとして、安全確認とは一番大事な仕事で、

根底にあるものなんです。

遊園地のお姉さんって、テンション高くて楽しそうだし、

何よりお客さんを楽しませますよね?

でもいくらお客さまのためでも、安全との比率はきちんと考えているんです。

安全にどれだけお客さまを楽しませることができるのか?

それを追及することがアトラクションスタッフとしての成長だし、

プライドなんですよ。


それなのに安全確認を怠った…なんて、悔しくて悔しくて。

確かにたくさんのお客さまがいるし、

とにかく早くお客さまを案内しないといけない繁忙期なんかは、

色々忘れ・飛ばしがちです。

でも安全には代えられませんから、そこんとこはしっかりしてますよ。


たった一人でもスタッフを信頼してくれた社員さんがいたと思うと、

もうその人は神以外の何者でもないです。

あの時は、本当にありがとうございました。