共同浴場に行ったらば・・・ | アンダンテ♪・・・ゆっくりと

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思いつくまま、気の向くまま・・・そんなブログです。

多忙な時期は、コメントのお返しが遅くなることがございます。
どうぞ、ご了承くださいませ。

         

過去記事にも書きましたが、計画性のない旅をします。毎度「どこ行こう?」です。
この日のMewは、お馴染みの群馬県にいました。群馬に行ったらまずは温泉に行くのが定番となっていますが、温泉の数が多くて毎度悩むのですよ。同行者とずい分悩んだ末に、立ち寄り可能な湯宿温泉の旅館に決定。でも、このお目当ての旅館は、清掃中につき残念ながら入浴できず。下調べをしていないと、こういうことが往々にしてあるんです。じゃぁ、次を探そう!と、残念も楽しみに変えちゃうというポジティブシンキングを貫いてますが(笑)
お宿の人から、共同浴場なら入湯できると教えていただけましたよ。嬉しい情報をいただいた後に向かったのは、近くの共同浴場小瀧の湯です。

車で行ったらば、どんどん道幅が狭くなってくる・・・あらら、行き止まりになっちゃったよ・・・・・
共同浴場の隣りの建物から男性がお声をかけてくれました。
「行き止まりですよ。」
「お風呂をいただきたいんですが・・・お風呂入れますか?」
「はい、鍵を開けますよ!誰もいないので、ここに駐車して大丈夫です。」
よかった!
「帰りにここに寄って、お茶でも飲んでいってもらえば・・・」
笑顔で話しかけてこられます。帰り際にお土産でも買わせていただこう・・・・・

湯宿温泉 共同浴場小瀧の湯




車から降りると、先ほどの男性が「どうぞ、どうぞ、こちらへ・・・」と、隣りの建物に案内してくださってます。
・・・ああ、温泉から出てからお土産は買いたいんだけれど・・・なんて思っていたのも束の間でした。
建物の中は、販売するお土産の品が見当たません。囲炉裏が中央にあって、周りには訪れたお客さんが書いた絵馬がかけられていたり、木工の作品が展示されていたり、湯宿温泉の写真が飾ってあったり。
そして、既に私たちのため二人分のお茶が用意されているではありませんか。
お店ではないんだ・・・・・てっきりお店だと思っていたのは、無料休憩処だったのです。


ゆじゅく茶屋 (無料休憩処)



2年前に建てられたゆじゅく茶屋は、周辺の方がボランティアで代わる代わる当番制でいらっしゃるとのこと。
小瀧の湯の清掃、管理もされています。
なんて、アットホームなんだろう。居心地がいいなぁ。みなさん楽しそう、笑顔で明るいよ・・・・・
お茶をいただきながら、しばらく歓談。とても楽しい方たちなので、ずっとお話していたくなるほど。
ああ、でもここにはお風呂に入りに来たんだっけ・・・・・

鍵を開けていただいて、さあ、入浴です。

湯口から源泉かけ流しのお湯がどんどん流れ出ています。
気持ちよさそうだなぁ・・・と、かけ湯をした途端「あちちちっ!!」かなり熱いです。水を足してもよいと言われたので、水を入れてようやく入湯。ほんのり硫黄臭の香りがする無色透明なお湯。
こういう鄙びた感じがいいなぁ・・・・熱いけれど、気持ちいいなぁ・・・・・




料金は浴室内にある『善意の箱』に100円以上を入れます。私はこういうシステムははじめて。今までは受付で指定の入浴料金を支払ってから、入浴する温泉ばかりでした。まさしく善意の箱、気持ちを入れるんですね。


のぼせないように短時間で入浴を済ませ(熱いのも理由の1つでしたが(笑))、ゆじゅく茶屋でご挨拶をして帰ろうすると・・・「どうぞ、今コーヒー淹れてますから。」と、またまたお誘いをいただきました。
ではでは、お言葉に甘えて・・・
湯本館館主21代目が淹れてくださったコーヒーの良い香り。そして、もう1人の方の奥様お手製の豆餅をいただきながら、しばし歓談を。
「夏祭りの写真です。」と手渡された写真の数々には、この囲炉裏を囲んでお酒を酌み交わしている方々の楽しそうな様子。「花火大会もあるんですよ。線香花火だけだけれど。あはは・・・」
美味しい豆餅とコーヒー、こういう雰囲気だから尚更美味しいのかもしれないなぁ・・・・・



通りを歩いている方が見えると「お風呂どうぞ~・」とお声かけていらっしゃる。
「今日は、△△が通らないね・・・あ、△△って犬ね。この時間に散歩で通るんですよ。」
そっか、ここは観光客だけじゃなくて、地域のコミュニティの場でもあるんだ。アットホームな雰囲気は、こういうところからきているのね・・・・・

私は、ちょっと自分を恥じました。
観光地などで、「ここで買い物した方、駐車料無料」などの看板をよく見かけます。たぶん、ここもそうなんだろうなぁ・・・と最初は思ったのですから。
善意の箱が浴室にあったけれど、善意のゆじゅく茶屋であって善意の方々だったのです。
湯宿温泉の良さを広く知ってもらいたいという想いが根底にあり、ここで地域の方々が交流もできる。地域おこしという一言だけで片付けてしまいたくないものを感じました。
ゆじゅく茶屋から、あたたかい日本の心を教えていただいた気がします。
そして思いました、日本もまだまだ捨てたもんじゃないって・・・・・

次回は路地裏にあるカフェのご紹介を。



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