十年以上前、京都の観光地でもある「新京極」を自転車で通りかかりました。
高島屋や四条のゑり善さんの展示着物を見学に行く為です。
そこには全国の各地から修学旅行で京都に来ていた高校生らしき人達で溢れていました。
あちこちに跋扈する高校生を見てこの子達が大人になる頃日本は消滅するだろうと思ってしまいました。

大分前なのでどんな仕草がそう思わせたか憶えていないのですが、確かにそう確信した事は間違いありません。
それ以来、怒るべきときは怒る様にしようと思った事も確かです。

その後間もなく、車を運転していると前を歩いていた子供が歩きながらいじめられていました。
中学生か高校生だと思います。
いじめられている子が自分の子と重なって思わず窓を開け、「こら!お前ぶっ殺すぞ!」と怒鳴っていました。
いじめっ子の方はいかにも悪といった顔つきでしたが、驚いていじめをその時は止めました。
その後は知る由もありませんが。

今でも各地でいじめは続いています。
世間を騒がせた大津のいじめは最悪、悪い事をしたと思っていないのですから。
親にしても子供をかばうだけ、一緒にいじめを否定しています。
有力者だそうですが、その力に負けた学校当局もみじめでした。

そんな悪い印象しか持たなかった若い世代ですが、震災以来その美点を目にする事が増えました。
震災は多くの人の命を奪い、避難所暮らしを続けさせる事態を生んでしまいました。
その上、放射能の恐ろしさを見せつけ、どうしようもない悲劇は起こるものだと認識させてくれました。
その悲惨さは日本人に良い根を植え付けたのかも知れません。
ボランティアを続ける若者も居ます。
そして今日、フィギアスケートを見ていて感じたのは先のオリンピックで感じたのと同じ事。
敵であるべき競技者仲間でいたわりの気持ちを持っている事の驚きです。

先ず、他の国では考えられない事だと思います。
高橋選手は三人揃って世界選手権に出ようと日の丸にサインをしていました。
素晴らしいですね。
この歳になって次代を背負うべき若者が信頼に足ると思えた事の幸せはなにものにも代え難い喜び。
ほんの少しずつしか成長していない息子にそのイメージを重ね、何時か大きく育ってくれる事を願うばかりです。